静かなしぐさ
時間に追われてパソコンのキーをバチバチと叩いたとき、あっ、と思います。無意識のうちに不快な音を発生させてしまっていました。
周りの人は嫌な感じを受けたことでしょう。
松浦弥太郎さんの『今日もていねいに。』より引用します。
仕事や考えごとに押しつぶされそうな夜、マンションのエレベーターのボタンを叩くように押す自分がいたら、「いけない、いけない」とつぶやきます。
静かなしぐさをしているかどうかを、自己チェックのものさしにしましょう。荒れているようであれば、自分で自分をやさしく引き戻してあげましょう。
一人のときも、人目にさらされているときと同じ、気品ある静かなしぐさを保ちつづける。これがいちばん難しくて、いちばん美しいことだと思います。
『今日もていねいに』より引用
私も無意識のうちに不快な音を立ててしまいましたが、社内でも同じような光景を見かけます。
書類をバタンと置いてみたり、ドアをドスンと閉めたり、引き出しをガチャガチャしたり・・・・・・
声に出せない心の中のざわめきが行動に出てしまうのです。
松浦さんは「気品のある静かなしぐさ」とおっしゃっていますが、気品というよりはもっと根本的な心の乱れの問題ではないかと思います。
かつて、自分の思い通りにいかなくなると、行動が荒れる社員がいて、厳しく叱ったことがあります。同僚にもお客さまにもご迷惑をおかけするからです。
マンションなどでは上下左右の部屋のちょっとした物音が大きなトラブルのきっかけになることがあると聞きます。物音はかように人をいらいらさせるものなのです。
物音に気を配ることは周りの人を安心させるための基本的なマナーといえましょう。
他人のバタバタ音を聞いたときには「どうしたの?」と聞いてあげるのもよいかもしれません。
参考文献:
『今日もていねいに。 暮らしの中の工夫と発見ノート』 松浦弥太郎 (PHP文庫)
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