98%の信頼

Hitoshi Yonezu

2012年06月14日 10:00

 渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』をすすめてくれた友人が感動したといって教えてくれた箇所です。


 人間は決して完全にわかり合えない。だから、どれほど相手を信頼していても、「100%信頼しちゃだめよ。98%にしなさい。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておきなさい」といっています。
 人間は不完全なものです。それなのに100%信頼するから、許せなくなる。100%信頼した出会いはかえって壊れやすいと思います。
 
                『置かれた場所で咲きなさい』より引用


 誰にでも間違いはあるのだから、始めから2%くらいは余裕をもっていた方が楽しく過ごすことができそうです。
 これもいけない、あれもいけない、あの間違いは取り戻す、と詰め寄られたら、息ができなくなってしまうでしょう。追及する本人も悪い発想で頭がいっぱいになってしまいます。

 その友人はこの部分を読んで、とても心が楽になったそうです。

 私はその話を聞きながら、D.カーネギーの『人を動かす』を思い出しておりました。そこには「盗人にも五分の理を認める」という言葉が紹介されています。

 私は、相手をぎりぎりまで追い詰めるよりも少しだけ逃げ道を残してあげた方が人間関係がうまくいく、という解釈をしております。

 夫婦や友人など人間関係の破綻は、他人という全く違う人格に対して自分の考えを押しとおし、同じようにすることを強要し、完璧に詰めすぎることにあるのではないか、と思うからです。
 
 かつて私が結婚していたときは、些細なことで妻を注意して喧嘩になってしまったことがよくありました。申し訳なかったことです。いま独身だからこそ冷静な気持ちになって反省できます。
 
 仕事においては目指す理念があるわけですから、この限りではありません。100%を目指すところに仕事の進歩があります。ただ、そこに追いつけなかった人をすぐに切り捨てるのではなく、その人の強みを活かせる役割を与えてあげることは必要と思います。

 みなさまもどうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:
 『置かれた場所で咲きなさい』 渡辺和子 (幻冬舎)
 

 『人を動かす』 デール・カーネギー (創元社)
 


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