『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』を読んで

Hitoshi Yonezu

2012年05月31日 10:00

 村上和雄さんのご著書『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』を拝読いたしました。

 村上さんは1936年、奈良県生まれ、京都大学および京都大学大学院をご卒業後、オレゴン医科大学研究員、バンダービルト大学医学部助教授、筑波大学教授などを経て、現在、筑波大学名誉教授、国際科学振興財団バイオ研究所所長を務めておられます。
 高血圧に関係する酵素「レニン」の遺伝子解読を成し遂げ、世界的評価を得たそうです。1996年には日本学士院賞を受賞されています。

 村上さんはこのように大変優れた科学者でいらっしゃるのですが、科学で説明可能なことだけに頼ることに対して懐疑的です。科学では説明できないことについてたくさんの本を書かれています。村上さんが「サムシング・グレート」と呼ぶものです。

 自然との付き合い方について村上さんは次のように述べておられます。

 自然というものは、ときに人間の想像をはるかに上回る振る舞いをします。昔の人はそのことをよく知っていました。だからこそ、そうした自然の振る舞いを抑えるのではなく、受け入れながらお互いにバランスをとって生きようと感謝や祈りを捧げました。なぜなら、自然と自分たち人間は別個の存在ではなく、一個の大きな命のようなものと考えていたからです。

                『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』より引用


 なぜ自然と人間は一個の命として考えられるのだろう?と思っていましたら、こんな説明がありました。

 人間の体にある酸素、炭素、水素などの元素は、地球を構成する元素と同じ。そして、地球の元素は、宇宙から来ています。

                『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』より引用


 地球と人間は同じ成分でできているというわけです。そのことは地球の成り立ちから考えれば当たり前のことですが、改めて説明されると、地球との親近感がわいてきました。

 母なる地球に我々はたった数百年の間にさまざまな無理を強いてきてしまった、と村上さんはいいます。

 それは、地球という親が痛みを感じながらも、それでもまだ私たちを思ってくれているからでしょう。
 ひょっとしたら今までの現代人の生き方は「子ども」のようなものだったのではないでしょうか。
 子供から青年に、そして大人になるタイミングが、まさに今なのではないかと思います。
 
               『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』より引用


 我々が地球上で当たり前だと思ってきた行なってきたことは、実はかなり横暴な振る舞いだったのかもしれません。

 世の中にはまだまだ科学では説明できないことがある・・・・・・サムシング・グレート・・・・・・頭に入れておきたいことです。

 どうぞご一読くださいませ。
 
  


 参考文献:『奇跡を呼ぶ100万回の祈り』 村上和雄 (ソフトバンククリエイティブ)
 

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