『言える化』を読んで

Hitoshi Yonezu

2014年01月16日 10:00

 遠藤功さんのご著書『言える化』を拝読いたしました。

 遠藤さんは早稲田大学商学部卒業後、ボストンカレッジでMBAを取得、三菱電機、米系戦略コンサルティング会社を経て、現在早稲田大学ビジネススクール教授および欧州系の戦略コンサルティング会社、ローランドベルガ―の会長を務めておられます。

 この本は「ガリガリ君」で有名な赤城乳業を取材し、その躍進の秘密を紹介してくれるものです。

 赤城乳業の2012年の売上高は353億円、6年連続増収を達成し、10年で売り上げをほぼ倍増させたそうです。

 競合であるロッテ、江崎グリコ、森永乳業、明治などと比べると規模や総合力の面でなかなか太刀打ちできません。

 小さくても強い。小さいからこそ強い。「弱小」ではなく、「強小」を目指す。これが赤城乳業が目指す会社像だ。
 社長の井上秀樹さんはこう強調する。
 「私たちは単に大きな会社を目指してきたわけではない。規模は小さくても強い会社、いわば『強小カンパニー』を目指してやってきた」

            『言える化』 p22より引用


 題名になっている「言える化」は、赤城乳業の社風を表している言葉です。

 赤城乳業という会社の特徴は、年齢や肩書に関係なく、社員が自由闊達にものが「言える」ことである。風通しがよく、オープンでフランク、フラットな関係をとても大切にしている。 
 それを社長の井上は「言える化」と呼んでいる。「言える化」は井上が生み出した独自の言葉であり、彼の信念でもある。

           『言える化』 p138より引用


 私は、自分の会社においてはこの点がまだまだ弱いと感じています。

 だからこの本の題名を見て、何かヒントがあればと思い、すぐに購入しました。

 「言える化」は個の尊重がなければ実現できない。一人ひとりの可能性を信じ、それぞれの考え方や意見をリスペクトする気持ちがなければ、「言える化」という土壌を育むことはできない。
 経験や知識に富む人は、とかく若い人たちの意見を排除し、耳を傾けるという努力を怠りがちである。その意味では、赤城乳業の役員や役職者たちは”大人”だとも言える。
 相手の意見に耳を傾ける「聞ける化」があってこそ、「言える化」は成立する。

             『言える化』 p140-141より引用

 
 「言える化」を実現させるには、一人ひとりの意識を変えていかねばならないと思います。
 
 とりわけ上の立場の者、声の大きい者の考え方を変える必要があります。

 時間はかかりますが、早急に取り組んでいきたいことです。
 
 ご興味がある方はご一読くださいませ。

  


 参考文献:『言える化』 遠藤功 (潮出版社)
 

 遠藤さんのご著書は以前もご紹介しました。いずれの本も情報的な内容が中心なので、もう少し踏み込んだ解説があると面白くなると思うのですが・・・・・・

 参考ブログ:『新幹線お掃除の天使たち』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1090509.html

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