『マイホームは買うな!』を読んで
藤山勇司さんのご著書『マイホームは買うな!』を拝読いたしました。
藤山さんは1963年、広島県生まれ、大学卒業後、商社に入社、飼料畜産部を経て建設不動産部に移動、そこで競売の知識を蓄積し、サラリーマン兼業で大家さん業をスタートさせたそうです。2003年、専業大家さんになり、現在は10棟94室を所有され、元祖サラリーマン大家さんとしてテレビなどのメディアでも活躍されているそうです。
この本は安易に住宅ローンを組んで、新築住宅を建てることに警鐘を鳴らすものです。
一つの話題がほぼ1ページに収まる短いコラムになっているので読みやすいですが、一つ一つの話はけっこう怖いことが書いてあります。
マイホームを購入する際の重要な判断基準は住宅ローンが終了するまでの資産価値だそうです。
それは立地が大きく関係してきます。
郊外のロードサイド店は1998年に成立した大店立地法(大規模小売店舗立地法)の成立によるものです。大店立地法は500㎡以下に認められていた店舗の制限面積を撤廃しました。結果、国道沿いに大型店舗の出店ラッシュ!その煽りを受けたのは駅前の商店街、真新しい店舗に客を取られ、シャッターを閉める店舗が続出しました。
そして現在、出店から十数年が経過しどうなったか。ロードサイド店の多くは勢いをなくしています。新たにアウトレットモールに集約して、新たな戦いに臨んでいるものの、力強さは感じません。そもそも、人の流れとは山や川や海などの地形から影響を受けるもの。人工的に作り上げた流れは常に呼び込む努力をし続けなければなりません。
日本人は新し物好き。当初は訪れても、古臭くなるとそっぽを向きます。一方、駅前はそもそも人の集まりやすい場所。時間の経過とともに、勝負は明らかです。
『マイホームは買うな!』 p80より引用
藤山さんは今後コンパクトシティが増えていくことを見据え、駅前の復活を予想しておられるようですね。
読者への具体的な提案としては、賃貸不動産物件を取得し、給与以外の所得を得るということを進めておられます。
それも、新しいものを購入するのではなく、地方の木造戸建て住宅の競売物件を狙うのだそうです。
競売物件はさまざまな問題を含んでいそうですが、その対処法なども紹介されています。
詳しくはこの本を読んでみてください。
私は不動産のことについては素人なのですが、この本を読んで少し事情が分かりました。実際にご自分で大家さん業をされている方の生々しい声です。
どうぞご参考になさってください。
参考文献:『マイホームは買うな』 藤山勇司 (ぱる出版)
関連記事