『新興アジアでお金持ち』を読んで

Hitoshi Yonezu

2013年05月28日 10:00

 岡村聡さんのご著書『中国・インドの次に来る大チャンス 新興アジアでお金持ち』を拝読いたしました。

 岡村さんは1979年大阪生まれ、東京大学を卒業後、東京大学大学院を修了、マッキンゼーアンドカンパニーを経て、国内大手プライベート・エクイティファンド、アドバンテッジパートナーズに勤務されました。2010年に奥様と二人で資産運用のアドバイスを行うS&S investmentsを立ち上げ、セミナー、コラム執筆、コンサルティング、資産運用アドバイスなどを行っているそうです。

 この本はアジアの中でも、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナムの六カ国に絞って、株式投資、不動産投資、移住、仕事などについて初歩的な解説してくれるものです。

 岡村さん自身も東南アジアの活気に触発され、初めてシンガポールを訪れてから2年で現地法人を設立したのだそうです。

 紹介されている六カ国をGDP規模の大きい順に並べますと、次のようになります。(1ドル=90円の換算だそうです。)
 
 インドネシア 77兆円
 タイ 32兆円
 マレーシア 26兆円
 シンガポール 24兆円
 フィリピン 20兆円
 ベトナム 11兆円

       『新興アジアでお金持ち』 p19より引用


 このページには日本のGDPが530兆円として紹介されていますが、日本と比較するとアジア各国はまだまだこれからという感じがしますね。

 最近はアジアへお子さんを留学させる過程も増えているのだそうです。

 シンガポールのインターナショナル・スクールの学費は月15万~20万円と、東京都内のインターナショナル・スクールよりも安いレベルで、日本には拠点を持たない欧米の有名スクールの分校もシンガポールにたくさんあります。幼少期から英語はもちろん、中国語のカリキュラムが充実していることも魅力です。
 こうした優れた教育環境に魅かれて、母子だけで留学するケースが増えてきています。私の周りでも、お父さんだけ日本にいて教育費を稼ぎ、お母さんとお子さんがシンガポールで暮らす家族も増えてきています。

        『新興アジアでお金持ち』 p169より引用


 信州から東京へ母子留学された方は存じておりますが、いまや日本からアジアへの母子留学の時代なんですね!これは知りませんでした。教育にお金をかけられる人はますますお金をかけるようになっているのですね。

 また、気になったことは、アジアの人材が成長しているために、日本人駐在員の必要性が問われはじめているということです。

 一方、今後は日本人駐在員の必要性が薄れていくのではないかと多くの人が指摘していたことは気になりました。5~10年後には、家族の生活費の補助も含めると現地の人材の10倍以上もコストがかかる日本人駐在員を配置することは、管理職を除けばなくなっているだろうと見ている人もいました。

         『新興アジアお金持ち』 p193より引用


 ここから数年で日本とアジアの関係もますます深まるだろうと思います。アジアの状況を知っておくことは必須事項です。

 この本はアジアの視察の案内から始まっていて、初歩的な内容です。アジアに足を踏み入れたことのない人はご参考になさってください。

  


 参考文献:『中国・インドの次に来る大チャンス 新興アジアでお金持ち』
               岡村聡 (講談社)
 

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