責任を任せる

Hitoshi Yonezu

2013年07月16日 10:00

 國貞克則さんの『究極のドラッカー』より引用いたします。

 「人材こそわれわれの最大の資産だ」と言う経営者は多いですが、それを本当に実践できている会社は少ないのが現実だとしてドラッカーは次のような事実を指摘します。実は人材は活用されておらず、人の可能性は埋もれたままで仕事に活かされていない。そしてそのことをほとんどのマネジャーが知っている。
 人材が活用されていない一つの理由はマネジャーが部下に責任を任せていないことです。マネジャーが部下に責任を任せることができない理由は、マネジャーが権力と権威を区別できておらず、部下に責任を任せると自分たちの権威が失われるとマネジャーが勘違いしているからだろうとドラッカーは言います。
 
            『究極のドラッカー』 p145-146より引用


 ここではマネジャーのことが書かれていますが、マネジャーに限らず社長でも同じことであると考えてよいでしょう。

 社長のほとんどの仕事は部下に任せることが可能だと思いますが「この仕事だけは自分がやらなくては!」という思いが、それを止めてしまいます。

 そこには「この仕事まで渡ししてしまったら自分の権威がなくなる」という思いも少しあるのではないかと考えます。


 マネジャーは権力をもっていません。ただ責任を負っているだけです。その責任を果たすという目的のために権威を必要とするのです。そして、マネジャーの権威は自らの責任を果たす、つまり成果をあげることによってのみ維持されるのだとドラッカーは言います。

            『究極のドラッカー』 p146より引用

 
 ここも社長に置き換えて考えると、社長は責任を負っているだけなので、社全体として外部に成果をあげることによってのみ、社長の権威も維持される、ということになります。

 社長はどうすべきか?と気負ってしまいますが、成果をあげることでしか認められることはない、と割り切るしかありません。 

   


 参考文献:『究極のドラッカー』 國貞克則 (角川oneテーマ21)
 

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