『究極のドラッカー』を読んで

Hitoshi Yonezu

2013年07月11日 10:00

 國貞克則さんのご著書『究極のドラッカー』を拝読いたしました。

 國貞さんは1961年生まれ、東北大学工学卒後、神戸製鋼所に入社、海外プラント輸出、人事、企画などを経て、96年米クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得されました。2001年、ボナ・ヴィータ コーポレーションを設立し、独立されています。ご著書『財務3表一体理解法』はベストセラーになりました。

 この本は2011年11月に初版が発行されています。その後そんなに売れている感じがしませんが、なぜでしょう?ドラッカーの経営思想について、非常に分かりやすくまとめられていますのに。

 ドラッカーが企業の目的を述べた部分は大変有名です。國貞さんの解説をご紹介します。
 
 では、企業の目的は何でしょうか。企業が社会の1機関である限り、企業の目的も企業の中にあるはずがありません。企業の目的は決して企業自身の利益を増やすことではなく、社会のニーズを満たしたり、社会の問題を解決したりすること、つまり社会に貢献することこそが企業の目的であるとドラッカーは指摘するのです。
 では、企業にとっての利益とはなんでしょうか。「利益は、目的ではなく条件である。」とドラッカーは言います。これをもう少し分かり易く言えば、企業にとっての利益は、人間にとっての水のようなものです。人間は水を飲むために生きているわけではありませんが、水がなければ生きていけません。

            『究極のドラッカー』p24より引用


 先日、ある会の懇親会で締めの挨拶を頼まれました。昼の勉強会で講師の先生からドラッカーの話が出たので、私なりの冗談で次のような挨拶をしてみました。

 今日の懇親会はおかげさまで大変楽しく有意義でした。・・・・・・「成果は組織の外部にある」とドラッカーは述べています。ドラッカーの考え方にしたがって、この先も二次会、三次会と、外部に成果を残してください。


 みなさまからブーブー言われました。

 企業の目的が外部にある限り、企業の売上げや利益が目的になるはずがありません。そんなことはお客さまには全く関係のない企業内部の話だからです。

 ドラッカーがすべてではありませんし、ドラッカーの考え方を採用するかどうかはトップマネジメントの判断次第ですが、経営者の方とお話をしてみると、意外にドラッカーの考え方は知られていません。

 ドラッカー経営の重要な部分が抽出されている本です。できればドラッカーをある程度読んでから、こちらに取りかかるほうが分かりやすいと思います。ドラッカーを読むためには、ドラッカー読書会に参加するのがとても効率的です。

 お勧めします。 

   


 参考文献:『究極のドラッカー』 國貞克則 (角川oneテーマ21)
 


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