『9割の会社は人材育成で決まる!』を読んで
小山政彦さんのご著書『9割の会社は人材育成で決まる!』を拝読いたしました。
小山さんは船井総合研究所の代表取締役会長を務めておられます。私は小山さんのご講演は何度かお聞きしたことがあります。
この本は船井総合研究所の売り上げを2倍、利益を3倍にした小山さんが、その人材育成の方法を伝授してくれるものです。
いま会社の業績を大きく伸ばそうとしたら、「一人前」程度の社員には多くを期待できないのだそうです。
いまや「一人前」よりも上のレベルである
「一流」の人材を育てなければ、
会社の存続は危ういといえます。
『9割の会社は人材育成で決まる!』 p4より引用
では社長は何をすべきなのでしょうか、小山さんは次のように述べています。
社長が一流の社員を育てるためにできることは、
究極的にはひとつしかありません。
社員が「育つ」環境をつくる。
これに尽きます。
『9割の会社は人材育成で決まる!』 p6より引用
部下を育てるための様々なヒントが紹介されています。
部下から食事の誘いがあったら断ってはいけないといいます。
私は船井総合研究所に入社して以来、こうした部下からの誘いは一度も断ったことがありません。今でも3カ月後まで社員との食事や飲み会の予定が入っています。
そういう席でこそ、社員の本音が聞けるからです。会社に対する批判的な意見にも耳を傾け、よいことは取り入れていきたいと考えています。
『9割の会社は人材育成で決まる!』 p124より引用
昨日ご紹介した『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』には、普段から飲みに行かなくてもいいような信頼関係をつくっておくことが大切で、無理に部下と飲みに行くことはない(p98-99)、と述べられています。対照的な部分ですね。
企業の意思決定システムについては、野球型とサッカー型の比較で説明されています。
野球では現場に意思決定権がなく、主に監督やコーチの指示によって選手は動きます。一方、サッカーは試合が始まってしまうと、監督の声はなかなか届きません。
サッカー型こそこれからの組織に求められる意思決定システムだそうです。
「野球型」から「サッカー型」の意思決定システムにシフトしていくためには、現場に出る前に、より入念な訓練と準備、フォーメーションの確認を行う必要があります。
企業のスタンスやポリシー、理念など、意思決定のベースとなる考え方を熟知してはじめて、現場で正しい判断ができるからです。そういった訓練をしっかり行うことこそ、社長の役目だといえます。
『9割の会社は人材育成で決まる!』 p155より引用
これはまだできていないことですが、大切なことだと感じました。
みなさまもどうぞご参考になさってください。
参考文献:『9割の会社は人材育成で決まる!』 小山政彦 (中経出版)
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