『世界一のサービス』を読んで

Hitoshi Yonezu

2013年01月27日 10:00

 下野隆祥さんのご著書『世界一のサービス』を拝読いたしました。

 下野さんは1946年東京都生まれ、銀座「マキシム・ド・パリ」のソムリエ、銀座「レカン」のシェフソムリエ・支配人、ロンドン「レストラン・ミラベル」総支配人を務められました。1993年、世紀のシェフと呼ばれたジョエル・ロブションによる日本第一号店、恵比須「シャトーレストラン タイユバン・ロブション」(現ジョエル・ロブション)の初代総支配人に就任されました。1996年健康上の理由により退職され、現在は後進の指導にあたられているそうです。2010年にはフランス共和国農事功労章「シュバリエ」を受賞されています。

 超一流のレストランで支配人を務められた方です。サービスに対する考え方は大変厳しいものです。

 下野さんはレストランの入店時にエントランスで「確認いたしますので、少々お待ちくださいませ」と言われたら、それはサービスではない、と述べています。

 個人宅を訪ねたシーンを思い浮かべれば分かりやすいそうです。
 
 夕方のしかるべき時間に、かねてから約束していた友人宅を訪ねてベルを押した時、玄関先で「少々お待ちください」という声が返って来ることがあるでしょうか。そう言って客を待たせておいて、メモ帳を調べるホストがいるでしょうか。それがゲストに対する歓迎の行動にあたるでしょうか。

       『世界一のサービス』p4より引用


 私も飲食店を経営しておりますが、対応が形式的になってしまうことがあり、気をつけなければならないことです。自分の家に友人を招くような温かい気持ちでお客様をお迎えすることが大切です。全ての従業員がそういう気持ちになるようにしたいと思います。
 
 高級レストランといっても、いまではお金を払いさえすれば誰でも行かれるようになりました。リッツカールトンのクレドではありませんが、「紳士淑女が紳士淑女にサービスする場」になったのだ、と下野さんはいいます。そうなると、何が大切になるのでしょうか。

 それは、サービスマンも普段の生活の中で、紳士淑女としてのプライドと折り目正しい態度をしっかりと身につけることだと思います。仕事のオフの日に街でお客様と出くわした時に、きちんと挨拶できること。恥ずかしくない服装をしていること。日頃から、時事関連の知識を身につけ、TPOに相応しい話題を選べること。様々なことに興味を持ち、良質の趣味を持つこと。豊富な人脈を持ち、互いに切磋琢磨していくこと、等々。
 つまり人間として研鑽を積みながら、己を磨いていくことが良質のサービスマンへの道なのです。
 
        『世界一のサービス』p41より引用


 サービスマンというまえに、一人の人間として尊敬されるようになっていないといけないのです。

 仕事でお付き合いがあっても、街で会ったとき挨拶ができない方がいます。お付き合いは商売だけと考えているのでしょうかね・・・・・
 
 レストランにご興味のあるかはどうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:『世界一のサービス』 下野隆祥 (PHP新書)
 

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