過去のムダな支出
林總(はやし あつむ)さんの『ドラッカーと会計の話をしよう』より引用いたします。
「業績が悪くなると、残業を禁止し、出張を禁止し、広告宣伝をやめ、鉛筆と消しゴムの支給を禁止する会社があるね。しかし、業績が悪化したのは、過去にしてきた何十億、何百億というムダな支出(投資)がキャッシュを生んでいないからなんだ。だが、経営者は、それだけ失敗をしておきながら、そんなことはおくびにも出さずに、部下に節約を強いている」
『ドラッカーと会計の話をしよう』 p134より引用
経営者としては、ドキッとしますね・・・・・・
損益計算書は一年の単位で作る決まりです。銀行をはじめとした利害関係者はいま利益が出ているかを見ます。
そうなると、経営者はどうしても一年間で利益を出すことを考えてしまいます。それが短期的なコストカットに向かってしまいます。
しかし、企業は"going concern"(継続企業体)であって、バザーではないのです。一日で大儲けして終わり、一年で大儲けして終わり、というわけにはいきません。
5年、10年、50年、100年と企業が継続していくことを考えると、何が大切か、ということになります。
林さんは投資もコストも同じ支出である、と述べています。
経営者としては、利害関係者の圧力にぶれずに、意思決定していかねばならないところです。
参考文献:『ドラッカーと会計の話をしよう』 林總 (中経出版)
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