数字は後からついてくる
小宮一慶さんの「ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。」より引用します。
目標設定と聞くと、いくら売上げを上げるとか、いくら利益を出すとか、まず、数字ありきで考える会社が多いと思います。
そのいい例が、来年度の目標を立てようとするとき、「来年度予算」という言い方をする会社が多いことです。これは、目標=売上げや利益と数字に直結させていることの表れだと思いますが、根本的に間違っています。
お客さまや世の中の関心があるのは、あくまでも商品やサービス、価格、つまりQPSの組み合わせです。会社の数字には関心はありません。数字はあくまでも、適正なQPSを提供した「結果」なのです。
「ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。」より引用
業績を公開しなくてはならない上場企業などは本当に大変だと思います。利害関係者に四半期ごとに数字を説明しなくてはなりません。
ずいぶん昔の話ですが、私も上場企業に勤務していた経験があります。私は営業を担当していましたが「すべては数字だ」だとよく叱られたものです。まずは数字が求められました。
今は経営者ですので、自分の方針に従って経営をすることができます。
中小企業であることの一つの強みは、小宮さんの述べておられるような「QPSの組み合わせ」や「商品やサービスの質」を堂々と目標を掲げることができることではないか、と感じています。
社員たちには、数字を詰めるのではなく、お客さまに喜んでいただける「独自のQPSを達成することを目標にする」と宣言することができます。
「今期当部門の売り上げは○千万円ですから、がんばりなさい」といわなくてよいわけです。
上場企業には数字の厳しさがありますが、それを許されている非上場、中小企業は、商品やサービスの質を向上させ、安定させることに心血を注がなくてはならない、と思います。
参考文献:「ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。」 小宮一慶 (ダイヤモンド社)
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