『プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!』を読んで

Hitoshi Yonezu

2012年09月03日 10:00

 石川直貴さんのご著書『プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!』を拝読いたしました。

 石川さんは1981年沖縄県生まれ、現在はタンザニア、ベナン、マダガスカルなどを拠点に、41のアフリカ企業の経営に携わっておられます。20代にして年商300億円を実現し、日本におけるアフリカビジネスの第一人者の一人だそうです。

 この本は石川さんが実際に体験し、成功されているアフリカビジネスについて書かれたものです。ご自身の生い立ちから始まっていますが、韓国の大学に留学したことがすべての始まりでした。
 高校時代に、学費が安くて歴史の勉強ができる大学という条件で探しあてたのが、韓国の大学だったのです。石川さんはこの大学でアフリカを含む世界各国の留学生や、後にビジネスパートナーとなるアフリカ生まれの日本人、美香とも出会い、初めてアフリカへの中古車の輸出の仕事をします。

 大学卒業後、日本で公務員になるという夢も捨てきれないまま、2年間プータローをしていた石川さんですが、2007年ようやく会社を設立し、大学時代に知り合った美香と、タンザニアへの自動車の輸出をはじめます。

 私がアフリカ事情をまったく知らないせいもあるのかもしれませんが、ストーリーは大変面白いです。平易な内容ですので90分くらいで読めると思います。

 アフリカでビジネスをするのならば「安全」「安心」ということはあり得ないですから、考えることよりも行動することが大切です。

 石川さんは次のように述べています。

 アフリカは可能性もある半面、日本では考えられない危険も潜んでいます。そこに不安を感じるようなら、アフリカに行くべきではありません。

 僕はそうしたとき、「襲われる運命にあったんだ」と考えるようにしています。
 ボディーガードを付けていたとしても、襲われるときは襲われます。日本にいても、襲われるときは襲われます。それが運命というものです。
 うちの社員たちも「死ぬときはどうせ死ぬんだから」というくらいの気軽な気持ちで、毎日の仕事に取り組んでいます。
 それくらいの気持ちになれるから、アフリカでもへこたれないのです。
 
          『プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!』より引用


 死ぬことに対して「気軽な気持ち」とは・・・・・・ここまで覚悟をしているのはすごいことですね。

 アフリカに比べてあまりにも安全な日本では、猛獣が野に放たれたら何もできないのではないでしょうか。石川さんのたくましさを感じました。

 昔の貿易というのは石川さんの行ったように手探りで始まったのでしょう。さまざまな事件が紹介されていますが、騙されたり、取り戻したり、ある意味、戦争のようなものです。

 アフリカビジネスの現場を見てみたいと思いました。

 みなさまもぜひご一読くださいませ。

  


 参考文献:『プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!』 石川直貴 (マガジンハウス)
 

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