2012年08月07日 10:00
まず、レシピという基本的なチェックリストがあった。綺麗に印刷され、透明なカバーがかかったレシピが各部署に置かれていた。アダムズ・シェフはスタッフにレシピを必ず守るように厳命し、彼女自身が調理するときもレシピに忠実に従った。彼女いわく、「料理の質を一定に保つためには、レシピは必ず守らなければならない」
さらにアダムズ・シェフは、随時気がついたことを「キッチン・ノート」と称して各スタッフにメールで送っていた。デザート用の作業場の横の掲示板には、それを印刷したものが貼られていた。
『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』より引用
注文の品、テーブル番号、席番号、特別な要望や以前来店したときのデータ(アレルギー、ステーキの焼き加減の好み、誕生日や記念日、アダムズ・シェフが挨拶に行くべき要人)などが伝票に記載されている。
『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』より引用
午後五時、開店三〇分前にスタッフ全員がキッチンに集まり、問題や懸念がないか確認する。私が見学した日は、予約人数、メニューの変更点二つ、病欠のスタッフの穴をどう埋めるか、女の子二〇人がパーティーを開く予定だったが到着が遅れて一番忙しい時間帯に来店すること、などが話し合われた。全員が発言の機会を与えられ、みんなで開店に備えた。
『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』より引用
だからアダムズ・シェフは最後にもう一つチェックを設けていた。アダムズ・シェフもしくはスーシェフがすべての料理を一皿ずつ点検し、見た目、香り、時には味まで確認してから客に出すのだ。少なくとも五%がここで返品されていた。
『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』より引用