成功の方程式はない
柳井正さんのご著書『成功は一日で捨て去れ』より引用いたします。
仮に成功の方程式のようなものがあって、あらゆる現象を分析してそれを作れたとしても、一瞬の間に周りの状況が変わるので、その方程式もすぐに使い物にならなくなる。つねに現実で起きていることを自分の感性で見て判断し、かつ論理的・分析的に進める。その2つの総和と統合が必要なのだ。
我が社には、成功の方程式なるものはまったくないばかりか、現場主義を徹底的に磨きこむという地道な作業が尊ばれる。社員ひとりひとりがもっとよく深く考えて、すぐに実行していくという経験値の積み重ねのようなものが、現状のブレークスルーにつながっていく。
柳井正著 『成功は一日で捨て去れ』より引用
お客さまに対応させて頂いて、その微妙な変化を受け止め、それを元に仕事を改革していくことができる人は、かなり優れた従業員だと思います。
うちの従業員のお客様への対応をみていると、あまりにも気づきが悪い者がいて、お客さまに本当に申し訳ないと感じます。
もっともっと現場を叩きこまなくてはいけないのだ、と思います。
それには仕事ができる上司や先輩が現場で細かく教えていくことです。
Tool Box Meeting (ツールボックスミーティング) という言葉を聞いたことがあります。アメリカの大工さんが仕事を始める前に道具箱の前に部下を集めて、体調を確かめたり、仕事の打ち合わせや段取りを教える小会議です。
棟梁が弟子を教えるというところに、温かみが感じられるミーティングです。
うちの会社には、方程式(骨組み)が必要だと思います。お恥ずかしいことにユニクロさんのような優れたビジネスモデルになっていないからです。
方程式にもとづいて仕事がまわるようになった段階で次は従業員の人間性や感性の向上を求めます。
先輩が知っていること、感じていることを、その場で部下に熱心に丁寧に伝えていくことが現場を強くするのだと思います。
参考ブログ:「経営の方程式」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e321031.html
参考文献:『成功は一日で捨て去れ』 柳井正 (新潮社)
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