『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』を読んで

Hitoshi Yonezu

2012年05月20日 10:00

 篠塚孝哉さんのご著書『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』を拝読いたしました。

 篠塚さんは1984年東京生まれ、東洋大学卒業後、ワシントン州立大学へ留学、帰国後、リクルートに入社されました。旅行カンパニー営業部に配属され、全国の営業部でMVP、新規事業コンテストで準グランプリを受賞されたそうです。
 2011年にLoco Partnersを設立、ホテル、旅館、行政団体向けにコンサンルティングやセミナーなどの事業を展開されています。

 この本は仕事の時間を短縮する整理術についてまとめたものです。さすがリクルート出身の方です、非常にスマートに仕事をまとめておられます。

 リクルート入社当時の篠塚さんは、終電に乗ることを仕事のタイムリミットにしていたそうです。

 当時、同じ部署に同期入社のF君という人がいました。彼は私とまったく同じ仕事をしているにもかかわらず、20時前にはいつも会社を出て、さまざまなコミュニティや飲み会などに参加し、夜の時間を自分に投資していました。それなのに営業の成績は新人のなかではつねにトップ、誰からも一目置かれる存在でした。
 私の方が、毎日遅くまで頑張っているはずなのに・・・・・・。いったい、私と彼では何が違うのだろう?といつも疑問に思っていました。しかし、この頑張っているという意識こそが効率が上がらない大きな原因だったのです。

          『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』より引用

 

 仕事にかける時間と成果は比例しないということに気がついた篠塚さんは、仕事を整理する工夫を考えるようになったそうです。

 興味深かったのは、仕事を中途半端で切り上げるという考え方です。

 「20:80の法則」というものがあります。80%の成果に到達するための時間は、仕事全体の20%、残りの80%の時間をかけても、あとは20%しか成果は上がらないという法則です。
 私は、残り80%を使って100%の仕事を目指すのではなく、その時間を他の仕事に振り分けるべきだと考えています。

           『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』より引用

 
 これは、いい加減な仕事をするということはなくて、「自分の美学」もしくは「自分だけの基準」で詰めすぎないということだと思います。自分の基準で詰めた仕事は自分にとっては喜びであっても、相手には理解してもらえないこともあるからです。

 私は中途半端ということがなかなかできなくて、細かく詰めてしまうタイプの人間ですので、こういう考え方は新鮮でした。これも一理あると思います。

 篠塚さんは「5分以内でできる仕事は、きた瞬間に終わらせる」というルールをもって仕事をされているそうです。私も同じことをしておりました。

 5分以内でできる仕事とはつぎのようなものです。

 電話連絡をしたり、メールやFAXを返信、チェックする作業

 タスク自体を整理する作業

 事務書類を書いて提出する作業

 仕事に必要なニュースをチェックする作業

        『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』より引用


 こういうのは、すぐに終わらせた方がよいですね。保留状態のものは少なければ少ないほど安心です。

 この他にも、PCを効率的に使えるソフトやスケジューリングの方法などいろいろな技が紹介されています。

 どうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』 篠塚孝哉 (かんき出版)
 

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