社長の命題の発見のために
日本マクドナルド会長兼社長兼CEOの原田泳幸さんは、週に三回はどこかのマクドナルドに立ち寄って、周りのお客さまにわからないように一顧客として店舗の視察をされているそうです。
行くたびに問題がわかります。問題発見がない店舗は1軒もないと言っていいぐらい必ず発見があります。そのとき発見した問題は店長には絶対に言いません。その問題は私の経営のどこに起因するんだと考えます。
原田泳幸著『勝ち続ける経営』より引用
見つけた問題点を社長が指導するのではなく、経営のどこに問題があるかを考える・・・・・・これこそ社長の仕事ではないかと思います。
普通の社長なら問題点について社員を叱りたいと思うでしょう。そうすれば、自分の気持ちががすっきりして、落ち着くからです。
しかし、それは社長の仕事ではないというのです。
つまり、私がお店に行くのは、私の命題の発見のために行くということです。店長の指導は、それをする立場の人間がいるわけですから、そこに私は干渉しません。もう一つ言えるのは各店長はお店に関しては私より先輩です。先輩に向かって、お店のここが汚い、ここが悪いなんて言えません。
社長というものは職位ではない、職種と言っています。私は会社の社長という職種ですから、私の命題の発見のために行くわけです。
『勝ち続ける経営』より引用
こういう考え方を「大企業の社長だからできるのだ」と他人事のように片づけないようにしたいと思います。
なぜなら、係長も、課長も、部長も、専務も、そして社長まで、みんなが同じことをしていたら、会社は成り立たなくなると思うからです。
社長には社長の役割があるはずです。
「企業(企てのなりわい)」と名前がついた以上、お父さんを中心として家族で運営する「家業(家のなりわい)」とは一線を画す経営をすべきなのです。
では社長の命題とは何か?
そこが問われているのです。
参考文献:『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』 原田泳幸 (朝日新聞出版)
参考ブログ:
「価値を上げ続ける経営」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e999859.html
「失敗を失敗で終わらせない」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e957020.html
「『とことんやれば、必ずできる』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e956591.html
「マクドナルドの商法」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e756430.html
関連記事