敵に教えられる

Hitoshi Yonezu

2012年04月15日 10:00

 私は平和な日本で育ったので、当然ですが、外で敵に襲われる、という心配を感じたことはありません。

 あえて敵というならば、商売での敵ということになります。経営戦略という言葉があるように、商売も戦略、すなわり戦争での戦い方を参考にしているところがあるわけです。

 私は競合している企業の経営者の皆さまとも仲よくさせて頂いており、相手を倒してでも自分が勝つということまでは考えたことはありません。

 ただ、自分では戦いを求めなくても、もしも競合企業が当社に挑んでくるようなことがあれば、そのときには会社の存続をかけて本気で戦わなくてはなりません。

 松下幸之助さんは『道をひらく』で次のように述べています。

 倒すだけが能ではない。敵がなければ教えもない。従って進歩もない。だからむしろその対立は対立のままにみとめて、たがいに教え教えられつつ、進歩向上する道を求めたいのである。つまり対立しつつ調和する道を求めたいのである。
 それが自然の理というものである。共存の理というものである。そしてそれが繁栄の理なのである。

            松下幸之助著『道をひらく』より引用


 競合先の情報を調べてみる、よいと思ったことは自社でもとりいれてみる、こういうことは対立でもあり、調和でもありということかな、と思います。
 
  


 参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
 

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