『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』を読んで

Hitoshi Yonezu

2011年07月18日 10:00

 『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』は、松下幸之助さんが松下政経塾の塾生に対して行った約100時間の講話の未公開テープの中から、48項目を書き起こし、まとめた本です。

 松下幸之助さんの本はたくさん出ており、私も相当読んでおりますが、松下政経塾の塾生に向けてのまとまった講話を読むのは初めてでした。

 テープから起こしたので、独特のやわらかい関西弁(大阪弁?)で語られております。

 若い塾生に向けての話ですし、80歳代になってからの講話ということもあり、全体的に温かさを感じます。
 
 すべてのものが尊く見えるようにならないとあかん。欠点ばかり見ていたらあかんのや。全部長所を見なければいけない。森羅万象いっさいが、われわれになくてはならないものであると考えないとあかん。
 「あいつはかなわんなあ、虫がすかんなあ」と言うているあいだはまだあかん。どんな人でも、「ええなあ」と言うようにならないとあかんわけや。

        『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』より引用


 晩年に近い松下さんの話は、神さまの言葉のようですね。

 子供の頃、私の祖父がうれしそうに松下幸之助さんの話をしていたのを思い出します。

 祖父も貧乏だったために東京へ丁稚奉公に出されたので、松下さんに共感を覚えていたのではないか、と思います。

 世界の松下さんには大変失礼なことかもしれませんが、私はいつも、松下さんの本は祖父からの話のようだなあ、と心の中で思いながら読んでいます。

 

 参考文献:
 『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』 松下幸之助[述] (PHP研究所)
 

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