ダム経営
松下幸之助さんの「ダム経営」は有名ですね。
稲盛和夫さんが「ダム経営」の話を講演で直接聞かれて、大変共感されたという話を読んだことがあります。
『松下幸之助 成功の金言 365』の6月11日の節より引用します。
ダム経営とは、一言でいえば、経営の中にダムをもとうということである。河川にダムをつくって、そこに水をたくわえ、それによって水の流れを調節し、ムダなく活用する。それと同じように、資金の面、設備の面、在庫の面、その他経営全般にわたって、ダムをつくり、余裕をもって経営をすすめていこうというものである。
『松下幸之助 成功の金言 365』 6月11日の節より引用
新事業に1億円が必要ならば、1億2千万円の資金を用意する、設備は90%の稼働で採算がとれるようにしておく、常に一定量の在庫をもって需要の急増に対応できるようにするなど、ダムが水を蓄えているように、余裕をもって経営をしていくという意味のようです。
では、どのようにダムをつくったらいいか・・・
稲盛さんが聞かれた講演で、松下さんは「どうしたらダムがつくれるのか」という聴衆からの質問に対して、「まず、そう思わんといけませんなあ」と答え、会場の失笑を買ったそうです。
しかし、稲盛さんはこの話に感動し、まずは、強く思わなくてはいけないのだ、ということを理解したそうです。(このエピソードがどの本に書いてあったか、引用したいのですが、失念してしまいました。)
特別な方法がある訳ではなくて、「ダムをつくるぞ!」と決意して、日々積み重ねていくしかないということです。
昨日まで何も考えずに行っていたことを今日から変えていかねばなりません。大雑把に見ていたことを細かく見なくてはなりません。
日々の経営活動を変えなければ、ダムはできないということです。
蛇口を開きっぱなしの放漫経営とは、逆のことをいっているのだろうなあ・・・と考えておりました。
参考ブログ:「人生にダムを」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e616913.html
参考文献:『松下幸之助 成功の金言365』 松下幸之助 (PHP研究所)
私が失念してしまっていたエピソードは、以下の本に書かれていたものでした。教えてくださったSさん、ありがとうございました。(平成23年6月14日)
参考文献:『高収益企業のつくり方』 稲盛和夫 (日系ビジネス人文庫)
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