潤いと情緒

Hitoshi Yonezu

2011年04月08日 10:00

 昨夜23時32分頃に大きな余震がありました。上田市でも1分くらいにわたり、ゆっくり横に揺れました。

 山形県に住む友人の話では、今朝まで一晩中停電だったそうです。

 今回の余震で亡くなられた方や、怪我をなさった方もおられるようです。大震災の傷も癒えない中でのこの余震は、本当にお辛いことと存じます。

 被災されました全国の皆さま、およびご関係の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。

 
 『松下幸之助 成功の金言 365』の4月8日の節より引用します。
 
 昔の商売人は「お客様のほうには足をむけて寝ない」というほどの感謝の気持ちでお客に接したといわれる。そういうものがおのずとお客にも伝わり、そこにその店に対する”ひいき”の気持ちが生まれる。どこで買っても品物は一緒だけれど、なんとなくあそこで買わないと気がすまない、というようなことになって、両者の心がかよいあい、ひいては社会全体が潤いあるものになってくる。
 そういったものが世の中が便利になり、あるいは会社の機構が大きくなっていくにつれ、いつとはなしに薄れてくるという面があるのではないだろうか。そして物を売りさえすれば、それで事足れりといったことになる。しかしそういうことは、だんだんと人間と人間の心のつながりがなくなり、国民全体の情緒も薄れていってしまうだろう。

                『松下幸之助 成功の金言 365』4月8日の節より引用
 


 洋服店では高価な(私にとっては、です)スーツを繰り返し購入しているのに、サイズを覚えてもらえなかったり、ホテルでは月に何泊もしているのに、いちいち同じことを聞かれたり・・・、大きな組織になると、従業員の方は、売り上げや業務のことで頭がいっぱいになってしまって、本来あるべき、心の通ったビジネスが忘れられてしまっていることがあります。

 昨今では、長い経済の停滞のせいでしょうか、個人経営の小さなお店でも気が利かない、やる気のなさそうなところが結構あるものです。
 
 私もお客さまから、同じようなようなことでクレームを頂くことがたびたびあり、社内ではお客様を知る仕組みをつくり、従業員には、お客さまのことを覚えて認識しなさいと、常に言い続けています。

 同じような物足りなさを、ビジネスだけではなくて、一般社会でも感じておりました。

 しかし、今回の大震災の復旧作業の様子をお聞きして、人はお金ではなくて、人を助け、人に喜んでもらうことに、喜びを感じるということを強く感じております。
 
 相手のことを考える気持ちは、それ自体は小さなことでも、やがては社会に潤いを与えるものだと思います。

 松下幸之助さんの話はビジネスの教訓ですが、社会全体の人間関係に通じるものです。

 被災されている皆さまには、一刻も早く平和が戻りますことを心よりお祈りいたしております。

 

 参考文献:『松下幸之助 成功の金言365』 松下幸之助 (PHP研究所)
 

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