一陽来復

Hitoshi Yonezu

2011年02月06日 10:00

 窮境に立つということは、身をもって知る尊いチャンスではあるまいか。得難い体得の機会ではあるまいか。そう考えれば、苦しいなかにも勇気が出る。元気が出る。思い直した心の中に新しい知恵がわいて出る。そして、禍いを転じて福となす、つまり一陽来福、暗雲に一すじの陽がさしこんで、再び春を迎える力強い再出発へ道がひらけてくると思うのである。

                      松下幸之助著『道をひらく』より引用


 苦しい境遇にあるときに、よいことを考えるのは、なかなか難しいものです。

 広辞苑によれば、「一陽来復」には次のような解説がありました。

 ①陰がきわまって陽が帰ってくること。陰暦11月または冬至の総称。
 ②冬が去り春が来ること
 ③悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方向に向いてくること。


 ここ二三日、急に暖かくなってきて、まさに一陽来復といった感じがします。

 しかし、冬が終わったから暖かい春が来るわけではなく、悪いことがあったから次は順番としてよくなる、というわけでもないのです。

 厳しい冬の後に冷たい春が来るかもしれませんし、悪いことの次にもまた悪いことがくる、ということもあります。

 一陽来復というと、自然に陽が差し込んでくるというイメージがありますが、ここはただじっと待つというのではなく、松下さんがおっしゃっているように、身をもって知る尊いチャンスと考えるべきですし、禍を活用して福へつなげていく、という行動が必要なのです。

 冬は冬として前向きにとらえ、チャンスがきたと喜び、自分で切り開いていく、というところが肝心なのではないかと思います。

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