カンを働かす

Hitoshi Yonezu

2011年01月16日 10:00

 カンというと、一般的には何となく非科学的で、あいまいなもののように思われるけれども、修練に修練を積み重ねたところから生まれるカンというものは、科学でも及ばぬほどの正確性、適確性を持っているのである。そこに人間の修練の尊さがある。

                         松下幸之助著 『道をひらく』より引用

 

 優れたサービスパーソンは、お客様のことをよく存じ上げていて、何も言われていなくても、お客様の必要とするものや、お好きなものを、先回りして、次々と揃えてお待ちしているそうです。
 何か不都合なことが起こりそうな場合も、鋭い嗅覚で事前に察知して、問題を回避できるのです。

 私はこういうものこそ、松下幸之助さんのおっしゃっている、仕事の修練から来たカンだと思います。

 私が社員にがっかりすることは、仕事に対してあまりにもカンが働いていない場合です。「○○だったら、△△になるということがわかるだろう!」とよく社員を叱っています。

 これはマネジメントで解決できる問題ではなく、その人物の能力や適性が問われることです。

 それでも、やる気があって、本当に熱心に取り組んでいるのなら、カンもだんだんと身についてくると思います。

 日々漫然と作業をこなしていたり、自分本位で仕事をしていると、お客様がどのようなお気持ちになっているのか、気にならないでしょう。カンが養われません。

 カンが働かないような、先が読めない仕事は、ただこなしている仕事となり、お客さまにご満足いただくことはできないでしょう。
 
 うちの社員たちには、日々真剣に仕事をして、カンを身につけてほしいと思います。


 しばらく前に、深夜、一人でバーのカウンターで飲んでいたときのことです。

 隣に見たことのない中年の紳士が座りました。

 その方はとても温和なよい方だったのですが、人の素性を当てたがる癖があるようでした。
 
 私の人となりを見て、変わった商売をしている人物と思ったらしく、
 
 「どちらの○○の親分さんですか?」

 と、しきりに聞いてくるのです・・・カン違いですかね・・・


 

 参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
 

 
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