素直に生きる
素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはそのときのその人に与えられた一つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。
素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人、順境に素直に伸びてきた人、その道程は異なっても、同じ強さと正しさを聡明さを持つ。
松下幸之助『道をひらく』より引用
私は、若いころは、あまり素直な人間ではありませんでした。
人から言われたことを素直に聞くよりも、自分の考えを主張して通した方がよいことなのだ・・・と信じていました。
なぜそういう風に考えるようになってしまったのかは、よく分かりません。
いろいろな本を読んで勉強して、少し大人になったと錯覚して、いきがっていたのでしょう。アメリカ関係の本をたくさん読んでいたので、まずは主張するというアメリカの考え方に感化されてしまったのかもしれません。
まだ小学生のころは、素直だったかもしれませんが、高校大学と進学するにつれて、少々生意気な若者になってしまっていたと思います。
いまではいろいろな経験をして、素直がよい、ということを理解しました。私一人の頭で出来ることなんて、本当にちっぽけなことです。人さまの話はありがたいことです。
ときどき若者とお話をして、素直な方だと、立派だな~と思いますし、自分の意見を押し通そうとする方を見ると、昔の自分のようだな・・・と思っています。
参考文献:
『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
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