止めを刺す

Hitoshi Yonezu

2010年05月20日 10:00

 せっかくの九十九パーセントの貴重な成果も、残りの一パーセントの止めがしっかりと刺されていなかったら、それは始めから無きに等しい。もうちょっと念を入れておいたら、もうすこしの心くばりがあったなら-あとから後悔することばかりである。
 おたがいに、昔の武士が深く恥じたように、止めを刺さない仕事ぶりを、大いに恥とするきびしい心がけを持ちたいものである。

                       松下幸之助 『道をひらく』 より引用 


 うちの社員の仕事ぶりを見ていると、詰めが甘いと思われる者がときどきいる。
 

 もう少し丁寧に仕事をする。

 もう一回、確認する。

 きれいに整理する。

 曲がっているものはまっすぐに直す・・・


 こういった小さいことができていない。

 大雑把な人は性格を直すこと。仕事は小さなことの積み重ねだ。一つ一つのことを几帳面にしなくてはならない。心に乱れのある人は、小さな仕事に乱れが見える。
 
 私はどんなに神経質だと言われようが、小さなことをきちんとする仕事をしたい。

 自分の家族のことだったらどうか。自分の家業だったらどうか。自分のことだったらいい加減にできないはずだ。

 うちの社員たちには、家も仕事も区別なく、同等に大切に思い、最後までしっかり見届け、最後の一秒まで気を張り詰めて仕事をしてほしい。
 
  参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
 

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