日本の財政赤字

米津仁志

2010年02月13日 10:15

 ギリシャの財政赤字が大問題となったが、日本の財政赤字は840兆円とも、1000兆円を超えるとも言われ、世界最大規模に膨らんでいる。

 どこの企業も、どこの家計もそうであるように、国といえども永遠に借金を増やし続けることは出来ない。 ましてや日本は人口が減少していくのである。

 今後、できる限り速やかに基礎的財政収支のバランスを取っていかねばならない。

 日本が莫大な財政赤字を抱えているにも関わらず、財政破綻の話が現実化しないのは、国債を引き受けているのがほぼ日本国民で、海外の引き受け手は6%程度であることと、政府の金融資産が約550兆円あるからである。
 
 ここが日本と、アメリカやギリシャとの大きな違いである。

 いま破綻懸念のある国は、海外から借金をしているので、貸し手が資金の供給をやめたら、お金が回らなくなってしまうのである。

 日本の場合は、自分たちでお金を出して、必要なもの、不要なものなどをたくさん作り、その結果、国債残高が残ってしまったという状況だ。

 だから、いまのところ、外国がお金を貸さなくなったら困る・・・という心配がない。
  
 そういう意味では、現在のように経済が大変なときには、いまだけの緊急的手段として、財政支出をする余地はまだ残っている。
 
 しかし、最終的には、収支バランスを取っていかねばならないから、そのあとの始末としては、消費税の増税が検討される可能性は非常に高くなってしまうだろう。

 世界の国々も、日本が消費税の税率を上げる余地があるところを担保として、いまは黙って見ているような感じがある。 
 
 参考文献:『逆境を生き抜く 名経営者、先哲の箴言』 北尾吉孝 (朝日新書)
 
 『金融大崩壊「アメリカ金融帝国」の終焉』水野和夫(生活人新書)
 
 参考サイト:大和総研『財政赤字と通貨の信認:日本は大丈夫か?』
 http://www.dir.co.jp/souken/consulting/researcher/insite/090805.html
 

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