2014年01月17日 10:00
僕らが調べた限りでは、政府の広報活動には、大きく分けて「行政広報」と「政策広報」の二つがあります。行政広報というのは、何月何日に選挙があるといったような行政上のお知らせ、一方の政策広報というのは、政府が行っている政策に理解や協力を求める広告です。当然ですが、前者は告知広告、後者は意見広告という形になりますね。
このうちの行政広報は、たいていの国では新聞や雑誌を使って広告をしています。が、マスメディアを使って政策広報をしている国は、ないと考えていい。なぜって、政府がやっている、あるいはやろうとしている政策には、国民の間に賛否両論があることが多い。それを一方的な意見広告として出すことは、それも国民の税金を使って出すことは許されないんじゃないか、というわけです。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p140-141より引用
「地方分権」という言い方も、ちょっと気になる。だいたい「地方」とういのは「中央」の対置語ですね。中央があるから地方がある。地方は中央の下位概念です。民放の地方局がいい例です。あれはほとんどが、中央のキー局の子分みたいになっています。あるキー局に系列局の女子アナが集まって歌をうたったりする番組がありますよね。あれを見ていると、女子アナが全員同じような顔で、同じような言葉を、同じような調子でしゃべっていることにびっくりする。それぞれの地域の匂いが全くしてこないんです。
これが文化の中央集権体制が生んでいることの縮図です。どうしてこうなるか。「地方」だからです。「地域」にしなきゃだめなんです。「地域」の上位概念はありません。しいて言えば「全土」でしょう。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p194より引用