私の母の年代の人たちは、物資が欠乏していた時代であるが、特に下着などはできるだけ上質で清潔なものを身につけていた。外で何かの拍子に怪我をしたり病気になったりして、病院に連れていかれたときなど、下着がきれいでないと恥ずかしいからであるというのだ。
人目に触れないものほど一層清潔にしておく必要がある。その身体の底から清潔であるという自信が、悪びれない堂々とした態度となって表れ、清潔感のあふれる言動となるのである。
山﨑武也著 『人望の研究』 より引用
『人望の研究』の著者の山崎武也さんは1935年のお生まれだそうですから、そのご母堂といえば明治のお生まれでしょう。
明治、大正、昭和と戦争が続いた時代です。食料も衣料も充分でなかったことは想像に難くありません。
人から見えないところは最も節約したかったところでしょう。
そういうときに、人から見えないところに上品なものを使い、清潔にしておくというのは、名誉も見栄も関係なく、ただそうありたい、そう生きたいという生き方、精神性によるものです。
いまでは大変豊かな世の中になりましたから、清潔を保つことにそんなに費用はかからないのです。
なのに、清潔感がない、清潔を保てない、というのは、生き方、考え方が関係しているのでしょう。
清潔感とは、いくら清潔に見せようとアピールしても出てくるものではなくて、人から見えないところや内側を清潔にすることで、そこはかとなく感じられるものなのだろうなあ・・・と考えておりました。

参考文献:『人望の研究』 山﨑武也 (PHP文庫)
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