最も重要なことに集中せよ

Hitoshi Yonezu

2012年04月20日 10:00

 ドラッカーの『経営者の条件』より引用します。

 したがって、現在集中して取り組んでいる仕事以外のものにコミットしてはならない。現在の仕事を終わらせた後、改めて状況を検討し、優先すべき次の仕事を選ばなければならない。
 集中とは「真に意味のあることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそ、時間や仕事の従者となることなくそれらの主人となるための唯一の方法である。

               P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用

 
 仕事に集中する・・・・・・一日の時間配分の意味もありましょうが、むしろ1年から数年単位で行なう大きな仕事のことと考えた方がよいでしょう。

 『経営者の条件』には、11年間で三つの大きな仕事を行なった薬品会社のCEOの事例が紹介されています。

 そのCEOは11年間という長きにわたっても、複数の仕事を同時に進めるのではなく、一時に一つずつ集中して行い、ドメスティックな企業を世界のリーディングカンパニーにまで成長させたのだそうです。

 お恥ずかしい話ですが、かつて私はいろいろな仕事を同時に、しかも性急に進め過ぎて、頓挫してしまったことがありました。
 
 経営者には夢があり、やりたいことがたくさんあり、やらずにはいられないという意識にかられてしまうことがあります。

 そのころは勉強不足だったので、あまり考えずにどんどん進めてしまいました。

 ドラッカーの述べていることは自分のことだったなあ、と反省しております。

 急いでしまったのは、他人と比べてしまう自分がいたからだと思います。

 よく足元を見て、成果に焦点を合わせて、最も重要なことに集中すべきでした。

  


 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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