ボトルネックはボトルのトップにある

Hitoshi Yonezu

2025年03月05日 09:32

 春というのに大雪の寒い日が続きます。ただいま、高崎付近を新幹線で走行中ですが、10センチくらい雪が積もっています。
 みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 このブログでは、ドラッカーの『現代の経営(上)』を読んでおります。

 今回は「第14章 CEOと取締役会」の「ボトルネックはボトルのトップにある」の節です。

 この節の冒頭部分の文章をご紹介します。
 
 「ボトルネックはボトルのトップにある」という。いかなる組織といえども、そのトップマネジメントを超えて優れたものとはなりえない。トップを超えて大きな構想をもつことも、卓越した仕事ぶりを示すこともできない。企業は、先代のトップの構想と遺産によって、しばらく生き続けることはできる。しかしそれは後払いで生きているにすぎず、支払いの期日は思っているよりも早く来る。
               
                 『現代の経営(上)』 p223より引用


 この部分を原文で紹介します。

 “THE bottleneck is at the head of the bottle,” goes an old saw, No business is likely to be better than its top management, have broader vision than its top people, or perform better than they do. A business—especially a large one—may coast for a little time on the vision and performance of an earlier top management. But this only defers payment—and usually for a much shorter period than is commonly believed.


 ボトルネックとは、業務、システム、交通などで、全体の流れや性能を制限したり阻害したりする要因を指します。瓶の首が細くなっていることをなぞらえた言葉です。

 トップマネジメントが、会社の流れや成長を止めてしまう原因になっているということです。

 企業はそのトップの器以上に大きくなることはない、と言いますが、このボトルネックの話も同じことを言っています。

  No business is likely to be better than its top management, have broader vision than its top people, or perform better than they do.

 会社はトップマネジメント以上によくならないのですから、トップマネジメントの器が大きくなれば、会社も成長できるということです。

 会社の不具合は、トップマネジメントの責任であり、部下のせいにすることは出来ないのです。

 耳の痛い言葉です。

 では、トップマネジメントの器が大きくなるとは、具体的にはどういうことでしょうか?

 稲盛和夫さんなら、徳を積む、心を高める、人格を高める、ということをおっしゃるでしょう。

 ドラッカーには似た概念として「真摯さ」という言葉があります。

 この節の後から「CEOの仕事と責任」が説明されますが、そこには真摯さの問題ではなく、具体的にすべき行動が示されています。

 しかし、その内容は人格を高めることと間接的につながっている部分がある、と思います。

 続きは来月ご紹介します。
 
 いつもご利用ありがとうございます。

 今月もどうぞよろしくお願いいたします。

 


 参考文献:
 『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B0081M7YFS/ref=nosim?tag=shachouinshin-22

 "The Practice of Management" Peter.F.Drucker HarperCollins e-books
 https://www.amazon.co.jp/dp/B003F1WM8E/ref=nosim?tag=shachouinshin-22

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