大切な仕事をする時間をスケジュールに入れる

Hitoshi Yonezu

2025年05月04日 13:36

 今年のGWはどこへ行ってもあまり人が出ていないように感じます。お休みが前半、後半ではっきりと分かれてしまったからでしょうか。

 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 このブログでは、ドラッカーの『現代の経営(上)』を読んでおります。

 今回は「第14章 CEOと取締役会」の「CEOの仕事の混乱ぶり」の節から引用します。

 CEOの一日の時間の使い方について発表された研究は、スウェーデンのスーネ・カールソン教授によるものだけである。教授のチームは数か月にわたってストップウォッチをもち、スウェーデンの企業人一二人のウィークデーにおける時間の使い方を調べ、会話、会議、訪問、電話などの時間を記録した。
 その結果、少なくとも社長室においては、一二人のうち一人として、邪魔されない時間を二〇分以上もてないことが明らかになった。集中できる機会は家にいるときだけだった。そして、長々とした電話と切迫した問題の板挟みとなって、重要な問題を即決させられずにすんでいた者は、毎朝一時間半家で仕事をしている一人だけだった。

                  『現代の経営(上)』 p228より引用


 私は中小企業の社長ですが、ここに書かれている状況と同じで、社員たちが出勤してきて、仕事が始まると、いろいろな用事が入ってきたり、電話が来たりして、やりたいことになかなか集中できないです。

 一番集中できる時間は、社員たちが出勤する前の誰もいない時間帯です。この時間は、定型的な仕事も早く進みますが、定型的な仕事に費やしてしまうのはもったいないので、難しい仕事や考える仕事をすることにしています。メールの返信や定型的な書類作成、手続きなどは、昼間のがやがやした時間帯でもできるからです。

 そして、二番目に集中できる時間帯、パートナーさんたちが退勤して、人が少なくなってきた夕方頃に続きをします。

 この節は次のような文章でまとめられています。

 CEOはいかなる活動をなすべきか。いかなる活動を委譲できるか。誰に委譲できるか。そして何よりもいかなる活動が重要か。そのためには、いかなる危機のもとにあろうともどれだけの時間を用意しておくべきかを検討する必要がある。
 言い換えるならば、場当たり的な者は、いかに頭脳明晰にして俊敏であろうとも、CEOの仕事は行えない。CEOの仕事は、計画しなければならない。計画に基づいて実行しなければならない。

      『現代の経営(上)』 p230より引用 


 この部分、原書を見てみましょう。 

 What activities must the chief executive do himself? What activities can he leave to others—and to whom? Above all: what activities come first? How much time must be set aside for them, no matter what “crisis” pressures there are?
 
 The intuitive manager, in other words, cannot do the chief executive’s job, no matter how brilliant, how quick, how perceptive he is. The job has to be planned. And the work has to be performed according to plan. 


 大切な仕事はあらかじめ計画に入れなくてはなりませんね。イベントや予定のスケジュールではなく、大切な仕事をする時間をスケジュール表に入れるということです。

 いつもご利用ありがとうございます。

 今月もどうぞよろしくお願いいたします。

 


 参考文献:
 『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B0081M7YFS/ref=nosim?tag=shachouinshin-22

 "The Practice of Management" Peter.F.Drucker HarperCollins e-books
 https://www.amazon.co.jp/dp/B003F1WM8E/ref=nosim?tag=shachouinshin-22

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