業績の評価
ドラッカーは業績を評価することについて次のように述べています。
業績は、貢献や成果という客観的基準によって評価しなければならない。しかしそれは、仕事を非属人的に規定し構築して初めて可能となる。さもなければ、「何が正しいか」ではなく「誰が正しいか」を重視するようになる。人事も「秀でた仕事をする可能性」ではなく、「好きな人間は誰か」「好ましいか」によって決定するようになる。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用
仕事をよくやってくれる社員を「よい人物」としてほめてしまうのが人情です。
ほとんどの中小零細企業では人材が不足していますから、仕事ができる社員は大変ありがたく「あの社員はいい人だ」と考えてしまいます。
しかし、マネジメントという観点で考えると「いい人」という概念はないわけで、仕事を非属人的な要素で構築しない限り評価は出来ない、ということになります。
その人物が正しいわけではなく、手順に従って仕事を進め成果をあげているという行動が正しいわけです。
企業の仕事が属人的なものばかりになると経営に制御が効かず非常に厳しくなるのではないでしょうか。
マッキンゼーの7Sでいえば、ハードの3S(戦略、組織構造、システム・制度)が確立していなければその他が生きてこない、ということになるのではないかと思います。
参考ブログ:マッキンゼーの7S
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e493617.html
参考文献:『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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