欧米のシナリオ
原田武夫さんの『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』より引用します。
アメリカとの関係で私たち日本人が完全に忘れている一方で、アメリカ人たちがいつも覚えていることがあります。それは第二次世界大戦(太平洋戦争)に負けていないアメリカは「勝ったまま」であり、戦前からの構造をそのまま引きずっている国であるという事実です。
『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』より引用
敗戦国となった日本はアメリカによって徹底的に改造されてきましたが、戦勝国であるアメリカには「変わるチャンス」がなかったのだそうです。
その結果「いざとなれば戦争をやって経済不況の帳尻を合わせる」という仕組みが肥大化してしまって、歴史上稀に見る「軍産複合体」が幅をきかせる国家になってしまった、と原田さんは述べています。
外国といえばアメリカのことだけを思うナイーブな国民でいるべきだという戦略にまんまとのってしまった日本はいまだに覚醒せず、いまでも続くというアメリカの占領政策について無意識化されてしまい、疑う心を持てなくなってしまっている、とまでおっしゃるのです。
元外交官の方がこういうことまで書くというのは相当な想いがあるのだろうなあと思います。
ここまでいわれると、日本はそんなに丸めこまれてきてしまったのか・・・・・・と暗澹たる気分になります。
アメリカ式の経済学を一生懸命学んできたことはなんのためだったのだろう?
何人もの友人たちが学んだMBA、あれもアメリカ式のビジネスパーソンを育てるためか?
なぜバブル時代に日本はアメリカの不動産を買いあさって失敗したのか?
バブル崩壊後はなぜハゲタカファンドに儲けさせたのか?
いろいろ浮かんできます。
もちろん、戦後の復興はアメリカのガリオア資金やエロア資金があったからですし、戦後も安全保障の傘に中にいることで助けてもらっているのです。
ただ、この本を読んで、大きな流れの中で我が国がどのように動いているのか、と考えたときには、欧米の考えたシナリオにあまりにもうまくのりすぎている・・・・・・そんな感じが拭いきれないのです。
参考文献:『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』 原田武夫 (かんき出版)
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