同族企業の経営
『ドラッカー365の金言』の12月28日、29日の頁は、同族企業の経営について書かれています。
ドラッカーは、世界のほとんどの企業は同族企業だといいます。
経営陣に関しては、同族企業にはいくつかの守るべき重要な留意事項がある。それらを守ることなくしては、繁栄するどころか生き残ることもできない。
『ドラッカー365の金言』 12月28日の節より引用
12月29日の節でその留意事項が四つ挙げられています。
1.一族の者と比べて同等の能力をもち、少なくとも同等以上に勤勉に働く者でない限り、一族の者を働かせてはならない。
2.トップマネジメントのポストの一つには必ず一族以外の者を充てなければならない。
3.重要な地位に一族以外の者を充てることをためらってはならない。
4.継承の問題について適切な仲裁人を一族の外に見つけておかなければならない。
『ドラッカー365の金言』 12月29日の節よりまとめ
日本の中小企業はそのほとんどが同族企業だと思います。
大学の経営学の授業で、株式会社の制度として「所有と経営の分離」を学んだことがありましたが、私は商売をしている家庭で育ったので、どうもピンときませんでした。
経営学からみたら親父の経営の方法はおかしいのではないか・・・と思っていました。
社会人になると、本当の意味で所有と経営が分離している中小企業はほとんどないのだなあ、ということが分かりました。
上場企業でさえ同族企業は多く、今年も同族企業の経営問題がいくつか発生しました。
ドラッカーの指摘は、家族だから、親族だから、という理由だけの同族の優遇は、会社をよくはしないということです。
実際には中小企業は人材不足で同族くらいしか来てくれないよ・・・という悩みもあります。
同族企業においては、家族、親族への甘えがあり、経営者と同族との関係が、経営者と一般社員との関係とまったく違う形態になってしまいがちです。
そうなると経営がいびつになります。
自戒したいことです。
参考文献:『ドラッカー 365の金言』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
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