みんなが同じことを考えているときには
桜の花が待ち遠しい毎日でございます。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
日ごろは大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
先日、ある本を読んでおりましたら、1990年(平成2年)1月3日の日経新聞の紙面が掲載されていました。年初に一年間の日経平均株価の高値安値を予想する恒例の記事でした。
その記事では、上場企業の有名な経営者の方々が、同年の日経平均株価の高値を45,000円から48,100円、安値を37,000円から38,000円と予想していました。全員が強気の見通しでした。
1990年のお正月といえば、私は某大手証券会社に就職を控えた卒業間近の大学4年生でした。
その証券会社の採用課長の言葉は今でも忘れません。
「このままいけば、20年後には日経平均株価は30万円になる・・・」
私が4月に新入社員として証券マンになると、株価はつるべ落としのごとく下がり続け、10月にはその年の最安値20,221円を付けました。
後から考えれば、前年1989年の大納会の終値38,915円が、引け値ベースで史上最高値だったのです。
バブルが崩壊した年でした。
その後も上下動はあったものの、株価は基本的には下がり続け、2009年には史上最安値7,054円まで落ち込んだのです。
その間、いまに至るまで、やがて景気はよくなる、株もいつかは戻る・・・という希望の声をちらちら聞いてきましたが、結局、何も起こりませんでした。それどころか、いま日本はさらに悪化しているのです。
いま歴史を振り返ってみて言えることは、景気が悪いのも、よい時代に戻らないのも、景気の循環の問題ではなくて、経済の構造が変わってしまったことに問題があるのです。
このことは多くの方が分かっていたと思いますが、政府や企業にとって都合の悪いことですので、消されてきたのだと思います。
人口が増え続け、国民の生活が向上し、GDPが成長した時代は終わり、いまは人口が減少し、国民は成熟し、GDPは減少するか、維持するのが精いっぱいという時代となりました。かつての日本とは全く違う性質をもった国になってしまっているのです。
このことについては、昨今のいろいろな本や論評を読むと、識者の間ではだいぶコンセンサスが得られてきているように思いますが、昔のことを回顧する人も多いように感じます。もう絶対に後戻りはない、と過去に決別した方がよいのです。
ただし、私は、成熟経済だからイコール悲観だ、とは考えておりません。それならばそれで違うやり方があると思うからです。
ご紹介した新聞記事は今読めばあまりにも見当はずれなもので、微笑ましい気持ちにさえなりますが、私は逆に少々希望を見出しました。
1990年には、ほとんどの人がバブルは永遠に続くと思っていましたが、大きく外れました。
それと同様に、世の中が総悲観論になったいまは、いよいよ予想が外れるときが来たのかもしれない・・・と思ったからです。
決して楽観はしておりませんし、どうなるかは分かりませんが、全員が同じ方向を見ているときには、何か見落としているものがあるのではないか、と感じるのです。
真っ暗ないまこそ、新しい何かが起こる可能性も高まっているんだ・・・と思います。
春と共にみなさまにも幸せが訪れますことを、心よりお祈り申し上げます。
日ごろのご愛顧に御礼を申し上げます。今月もどうぞよろしくお願いいたします。
参考文献:
『世界一働きたい会社を創ろう!』 マーク・M・ムネヨシ (フォレスト出版)
第三回上田ビジネス読書会のお知らせです。
平成23年3月16日水曜日 午前6時半より、上田市のささやにて開催します。課題図書は冨山和彦著『挫折力』です。この本は、立場によって反論異論も出る本だと思いますが、あえて取り上げました。
年齢男女問いません。難しい話はしません。課題図書について、共感できるところ、納得できないところなどをお互いに話し合い、理解を深め、人生に役立てていく会です。詳しくは右のお知らせ欄をご覧ください。
現在の参加者は5人(うち1人は女性)です。
御連絡は右の「オーナーへメッセージ」から、私にメールをください。なお、3月4日まで出張しておりますので、ご返事が遅れると思います。ご容赦ください。
ご参加お待ちしております。
参考ブログ:
「『挫折力』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e676108.html
「第二回上田ビジネス読書会開催しました。」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e668222.html
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