重要なことは、できないことではなく、できることである
いよいよ梅雨明けですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
このブログでは、ドラッカーの著書をご紹介しております。
2021年8月まで『現代の経営(上)』について書いていましたが、当時、ある会合で定期的にドラッカーについて発表する機会があったことから、この約3年間、その内容に合わせるために『マネジメント』など他の分かりやすい著書に飛んでおりました。
2021年8月のブログ 「第一線の遺伝子」
https://highlyeffective.naganoblog.jp/e2595733.html#google_vignette
今月から『現代の経営(上)』の続きに戻って、読んでいきます。私は『現代の経営』が最もドラッカーらしいマネジメントの著書だと思っています。私の興味のある部分を取り上げてご紹介しております。
今回は「第13章 組織の文化」の「凡人を非凡にする」の節をご紹介します。
二つの言葉が「組織の文化」を要約する。その一つは、アンドリュー・カーネギーの墓銘碑である。
「おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」
もう一つは、身体障害者雇用キャンペーンのスローガンである。
「重要なことは、できないことではなく、できることである」
『現代の経営(上)』 p199より引用
組織は、さまざまな個性を持つ人の集まりです。
そして、一人一人の強みを生かして、弱みを消すのが組織の特徴であり、役割であります。
ベヴァリッジ卿の言葉、「凡人をして非凡なことをなさしめる」ことが組織の目的である。
(中略)
組織の良否は、人の強みを引き出して能力の以上の力を発揮させ、並みの人に優れた仕事ができるようにすることができるかにかかっている。同時に、人の弱みを意味のないものにすることができるかにかかっている。
『現代の経営(上)』 p199-200より引用
コロナ禍を乗り越えて、ここからというときに、今度は人材不足の波がやってきました。いま人材の募集と定着については、本当に考え抜き、できることをすべて行っています。
どんな人にも強みがあるわけですから、その人の強みを生かして、できる限り長く勤めてほしいと思っています。
弱みを直そうとする姿勢はよいですが、そこに執着しては組織に所属している意味がないのです。上司は弱みを指摘することよりも、強みを生かしてあげることのほうが大切なのです。
コンプライアンスを重視することや、誠実な姿勢で仕事に向かうこと、清潔であることなどは、働く人の根本条件として絶対に必要です。
しかし、その他の価値観、こうでなくてならない、こうであるべき、というような考えは、そういうことを言うその人のたどってきた人生の経緯が混ざっているかもしれません。特定してすみませんが、昭和の考え方はもう捨てなくてはならないと思っています。
私は、20代の頃は、カラオケで牛若丸三郎太(時任三郎)の「勇気のしるし~リゲインのテーマ」を歌って、大いに元気をだしていましたが、もはや歌えない曲となってしまいました。(歌詞を見てください。)
経営者や上司の立場にあるものが過去や自分の優秀さを自慢するのは好ましいことではありません。いままで培ってきた人生や過去は、足元にそっとおいて、いまを生きていくということになると思います。
いつもご利用ありがとうございます。今月もよろしくお願いいたします。
参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0081M7YFS/ref=nosim?tag=shachouinshin-22
"The Practice of Management" Peter.F.Drucker HarperCollins e-books
https://www.amazon.co.jp/dp/B003F1WM8E/ref=nosim?tag=shachouinshin-22
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