トマト

Hitoshi Yonezu

2010年08月23日 10:00

 くちづけのあとの真っ赤なトマト切る   大高翔 (『17文字の孤独』1997)


 
 お世話になっている先輩の社長、Yさんはトマトが大好き。

 お食事をご一緒すると、自分のためだけに、トマトスライスを一皿注文する。

 トマトスライスを自分の前において、満足そうにお酒を飲まれている。

 そのYさんは、ニンジンが大嫌いで、口に入れようとしない。

 私は、トマトがあまり好きではない。トマトだけ食べるならまだしも、何かの料理にすると他の食材との一体感がないから食べずらくて。

 でも、ニンジンは大好き。毎日、自分で作ったニンジンりんごジュースを飲んでいる。

 こういう関係だから、Yさんと同席すると、いつもトマトVSニンジンのバトルになる。

 トマトのここがいい、ニンジンのここがいいと、いい大人がふざけている。


 トマト派のYさんに、ニンジン派の私が頭を下げるのは悔しいが・・・

 この時期・・・夏のフレッシュな地物のトマトだけは、見逃すことができない。道端で売っているようなトマトだ。

 冬のような、同じ大きさ、同じ形の、ブクッとした、しまりのないトマトではない。
 
 お尻が緑で、ごつごつした形をして、俺は自由に育ったぞ!!!という感じの力強いトマトだ。

 りんごを食べるようにかぶりつく。皮が厚くて、ザクッと音がする。

 冷蔵庫で冷やして、紅岩塩でもかけて食べようものなら、・・・


 Yさん、私のブログ、読んでませんよね・・・


 

 参考文献:『季語集』 坪内稔典 (岩波新書)
 

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