夏痩せ
万葉集には夏痩せの人を嘲り笑う大伴家持の歌があるそうです。
石麻呂(いしまろ)に吾物申す夏痩せに良しといふ物ぞ鰻とり食(め)せ
(石麻呂さんよ、夏痩せの予防によいから鰻を捕って食べろよ)
日野草城には、食欲旺盛で活発な女性を疎ましく眺める俳句があります。
夏痩せも知らぬ女をにくみけり 日野草城
私のまわりだけでしょうか、最近は夏痩せしたという話をあまり聞かなりました。
いまはどこへ行っても冷房が効いているし、夏でも食べたくなるようなおいしいものがたくさんありますので、季節感がなくなってきましたね。
私は家ではそうめんばかりを食べていますが、外へ出れば肉でも魚でも何でも食べてしまいます。残念ながら、食欲がなくなるということはほとんどないのです。
私の寝室にはクーラーがないので、このところ毎日、暑さで目が覚めます。
枕カバーもシーツも毎日洗濯です。
ときどきホテルに泊まると、いつもよりよく眠れたな・・・こんなに涼しかったっけ・・・あ~今日はホテルだったんだ・・・と朝、実感します。
暑くても眠れてしまって、夏痩せしません。
せめて夏の夜の暑さは我慢して、季節感を残しておいてやろうか・・・と思っています。
参考文献:『季語集』 坪内稔典 (岩波新書)
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