コントリビューション(貢献する)

Hitoshi Yonezu

2009年07月01日 00:00

 暑中お見舞い申し上げます。皆様いかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 東京で異業種交流会に出席した時のことです。隣の席に、ある専門職の先生が座られました。勉強会の後の、まさに交流をするための懇親会の席です。その先生とは初対面でしたが、年もそんなに離れていませんでしたので、気楽にお話をしていたつもりでした。

 頼んだ訳でもないのに、その先生は勝手に私の商売についてアドバイスを始められました。せっかくアドバイスをしてくださるのだから、聴かねば悪いと思い、耳を傾けておりました。
 しばらく話した後、その先生が真剣な顔をしておっしゃった言葉です。
 「これはお金をもらって話していることだから、ここから先は話すのやめようかな~」

 そういうことであれば、申し訳ないですので、
 「そうですか。それは、私にはもったいないお話ですので、ご無理なさらないで結構です。」
 とお答えしました。

 『レバレッジ人脈術』によれば、人づきあいをする際には「コントリビューション(貢献)」という考え方が重要だといいます。
 「ギブ・アンド・テイク」は論外ですが、「ギブ・アンド・ギブ」も「ギブ(与える)」という、上からの目線でものを言っているような偉そうな響きがあります。
 人に会うときには、「この人に対して自分はどんな貢献ができるか」を考え、相手に貢献することを楽しいと感じながら行うべきだというのです。

 人づきあいにおいて、見返りを求めず相手にどのようにお役に立てるのかだけを考えるのです。私にはこの考え方は十分納得できるものでした。
 私も先輩後輩問わず、いろいろな方から情報を求められます。
 「今度、セミナーを開くのだけど、何かよい資料はないか?」とか、「○○で困っているのだけど、どの本を読めばよいのか?」とか、「フランス産の鴨肉がほしいのだけどどこで買えるのか?」とか、ときには証券アナリストの友人から長野県の中小企業の景況を聞かれることもあります。

 そんなときには、私のような者に聞いてくださるなんて、光栄なことで、ありがたいと思いますので、喜んでお話しております。その場でわからないことは調べて、後でお答えすることもあります。
 私も、自分で調べてもわからないことがあるときには、知っていそうな方を思い浮かべます。どの方も熱心に教えてくださり、とても助かっています。少なくとも、お金を払わなければ教えないなどという人は一人もいません。
 中には時間あたりの相談料をとるご職業の方で、私のためにまとまったお時間を取ってくださっているのに、今回はお金はいりませんからと言ってくださる先生もおられて、そんなときには本当に恐縮してしまいます。

 私の情報は、幸いにして当社の経営に重大な影響を及ぼすようなものでもありませんので、もったいぶることがありません。その方のお役に立てるのであれば、地元の競合他社でも喜んでご紹介いたします。(もちろん、個人情報などお客様の大切な情報は秘密保持いたしております。)

 冒頭の先生のような考え方では、仕事以外のお付き合いが出来ず、友達を減らしてしまいます。(実は私と友達になりたくなかったのかもしれませんが・・・)

 仲よく、幸せに人づきあいをしていくために、金銭には関係なく、お互いに相手のお役に立とうという思想が基本でありましょう。そういう、よい仲間を増やしていきたいなと思いました。

 暑い日々が続いております。どうかご自愛くださいませ。こちら信州上田のささや株式会社より皆様方のご多幸を念じております。

 『レバレッジ人脈術』本田直之著(ダイヤモンド社)
 

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