仕事の関係と人間関係

Hitoshi Yonezu

2017年02月01日 10:00

 寒中お見舞い申し上げます。
 
 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
 
 昔、小さな規模のお店(会社)は、店主(社長)の 家族や親戚が協力しながらお店を切り盛りしていました。うちもそうでした。家族、親族の人間関係でささやの仕事を担っていました。いまではそのやり方ではとても間に合いません。どのお店も規模の拡大とともに、家業から企業という組織に変わってきました。

 ドラッカーは、現代を「知識社会であり組織社会である」と指摘しましたが、仕事が複雑になり、高度な水準を求められるようになったいま、いろいろな人の力を借りなくては仕事ができなくなりました。

 さまざまな人が集まれば、人間関係が生まれます。

 『現代の経営』には次のように書かれています。
 
 仕事が一人で行うには大きすぎたり複雑で難しい場合には、連続的かつ機械的に結び付けられた個々の人間の仕事ではなく、チームで行う必要がある。ともに働く人は社会的な集団としてのチームを形成する。仕事の関係に重ねて、仕事の関係を超えた人間関係をつくる。
 
               『現代の経営(下)』 p154


 人間はロボットではありませんから、仕事の仲間とはいっても、人間らしい社会的な集団となるわけです。

 その社会的な集団が求めるものと仕事の組織が衝突するとき、犠牲にされるのは仕事のほうである。
 したがって、最高の仕事を組織するための第一の要件は、社会的な集団とその一体性が仕事に直接貢献するようにすることである。少なくとも両者の衝突を避けることである。
   
               『現代の経営(下)』 p154

 
 仕事をする仲間は社会的な集団ですから、少なくともお互いに信頼できなくてはなりません。どんなに仕事ができる集団でも、派閥に分かれていたり、仲が悪くいがみ合っていたりしたら、やがて仕事が犠牲になります。
 仕事の手順をつくるだけでは不十分です。仕事の手順を組み立てるのと並行して、集団をよいチームにつくり上げていくいくことが重要であるわけです。そのために何をするか、ドラッカーは一つの答えを提示しています。

 これを実現するには、チームの仕事を独立したものにする必要がある。すなわち、まとまった仕事、独立した段階としての仕事、しかもスキルと判断についてなにがしかの挑戦の要素を含む仕事にする必要がある。
        
               『現代の経営(下)』 p154


 チームに独立した仕事を与え、挑戦する目標をもたせて、それを達成させていく、という過程がチームのまとまりをつくっていくことになるのです。私は社員、パートナーに多少不器用な面があったとしても、お互い助け合いながら目標の実現に向かっていけるチームであってほしい、と思っています。
 
 まだまだ寒い日が続きます。お身体ご自愛くださいませ。いつもご利用ありがとうございます。

 参考文献:
 『現代の経営(下)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

  


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