未来をつくる

米津仁志

2017年01月03日 10:00

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は大変お世話になりました。誠にありがとうございます。本年もご愛顧のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、今年はどのような一年になるでしょうか。世界の政治経済が大きく動いていますから時代の節目となるような象徴的な出来事が起こるかもしれませんね。
 未来についてドラッカーは次のように述べています。

 われわれは未来について、二つのことしか知らない。一つは、未来は知りえない。二つは、未来は、今日現存するものとも今日予測するものとも違う。
 これは、新しくもなければ驚くべきものでもない。だが重大な意味をもつ。
 第一に、今日の行動の基礎に、予測を据えても無駄である。望みうることは、すでに発生したことの未来における影響を見通すことだけである。
 第二に、未来は今日とは違うものであって、かつ予測できないものであるがゆえに、逆に予測できないことを起こすことは可能である。
 
                  『創造する経営者』 p229


 予測できないことを起こすことは可能である・・・・・・気持ちが高まる言葉ですね。
 
 もちろん何かを起こすにはリスクが伴う。しかしそれは合理的な行動である。何も変わらないという居心地のよい仮定に安住したり、ほぼ間違いなく起こることについての予測に従ったりするよりもリスクは小さい。

                  『創造する経営者』 p229


 企業は何をするにも常にリスクとの戦いです。人生にも挑戦することが絶え間なく出てきます。しかし、何もしないよりは何かをするほうが安全なのです。
 ドラッカーは企業家がすべき未来へのアプローチとして、二つの方策を示しました。

 第一に、経済や社会の不連続性の発生とそれがもたらす影響との間の時間的な差を発見し、利用することである。すなわち、すでに起こった未来を予測することである。
 第二に、来るべきものについて形を与えるためのビジョンを実現すること、すなわち自ら未来を発生させることである。

                  『創造する経営者』 p230-231


 「すでに起こった未来」はわれわれの周りにたくさんあります。未来は到来を待つものではなく、自ら発生させるものです。今年も輝かしい未来をつくりましょう。

 みなさまにとってすばらしい一年となりますよう心よりお祈りしております。まだ寒い日が続きます。お身体ご自愛くださいませ。
 
 参考文献:
 『創造する経営者』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

  


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