トップマネジメントの役割
残暑も和らいでまいりました。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
さて、私は、社長になる前から、また社長になってからも、社長の仕事とは何か?をずっと考えています。自分のやっていることがお客さまのお役に立っているか、社会に成果をあげているのか?ということは、私にずっと付きまとっている課題です。
若いころ現場の仕事をしていたとき、常連のお客さまから「あなたはそんなことしないで、料理の味だけみてうまいとかまずいとか言っていればいいんだよ」と言われたことがあります。当然そんなことだけですむはずはありませんでした。
ドラッカーは『マネジメント』において、トップマネジメントの仕事は他のマネジメントの仕事とは根本的に異なるものである、と述べています。
どの組織のトップマネジメントにも共通して使えるような具体的な仕事があるわけではありません。トップマネジメントの仕事は個々の組織ごとに変わります。
「組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は何か」(『マネジメント』p225)ということになります。
ドラッカーはトップマネジメントの役割として次の六つを挙げています。
①事業の目的を考えるという役割
②基準を設定する役割、すなわち組織全体の規範を定める役割
③組織をつくりあげ、それを維持する役割
④トップの座にある者だけの仕事として渉外の役割
⑤行事や夕食会への出席など数限りない儀礼的な役割
⑥重大な危機に際しては、自ら出動するという役割、著しく悪化した問題に取り組むという役割
『エッセンシャル版 マネジメント』 p224より抜粋
ここには社長がやるべきことがよくまとめられていると思います。大企業の話だ、と切り捨てるものではありません。
現場の仕事に精を出すことは大変尊いことで欠くべからざることですが、社長としては①②③の役割を果たすほうが重要です。
しかし、⑥にあるように、どんな問題であろうと危機的な状況が発生した場合には社長が自ら出ていって解決に導くことが求められます。このことは頭の片隅から消えることはありません。
④はお客さま、株主、取引先、金融機関、公共団体などとの関係づくりです。
⑤については、社長は毎日こればっかりやっている!と非難されそうですが、ドラッカーが指摘していることですから、これはこれで重要な役割であります。
私は若いころ父からいろいろな会に参加しなさいと言われ、それを守ってきましたが、頼まれた公的な仕事をすべて引き受けて自分自身を追いつめてしまったことがありました。公的な活動を通じて社会に貢献することは大事ですが、仕事で社会のお役に立つことの方がもっと重要であることを忘れてはいけない、と思います。
これからもみなさまのお役にたてますように努力してまいります。ご指導のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
いつも当社をご利用いただき、ありがとうございます。
参考文献:
『エッセンシャル版 マネジメント 基本と原則』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
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