マネジャーを見分ける基準
P.F.ドラッカーの『マネジメント(中)』より引用いたします。
マネジメントの人間を見分ける基準は、命令権の有無ではない。貢献の責任の有無である。権限ではなく機能がマネジメントを見分ける基準である。マネジメントの人間とスペシャリストとの関係も、マネジメントを責任と機能によって定義することによって、初めてはっきりさせることができる。
『マネジメント(中)』 p18より引用
かつては、マネジメントの人間(すなわちマネジャー)は誰か?と聞かれたら、部下に命令する人、という答えだったかもしれません。
しかし、いまでは組織の最前線で顧客と接触している人にも権限が与えられています。いちいちマネジャーに質問にいくような職場はもはやありません。現場にも知識労働が増えて、どの人にも早急かつ高度な判断が求められるようになったからです。マネジャーの答えを待っている間はありません。
また、いまの企業において軍隊型の組織は少なくなっていますから、上から下へ命令をしているだけではトップの意思は伝わっていきません。命令だけではマネジャーは務まりません。
どの仕事の範囲においてどこまでやり遂げるのかという貢献の範囲を明確にしてこそマネジャーの仕事がはっきりします。
スペシャリスト集団にもマネジャーが必要ですが、その際にも責任と機能を明らかにすることです。
マネジメントの仕事は、現場の仕事が高度化したものではないのです。責任と機能が違います。
つまり、現場の仕事を上手にできる人が順繰りに上がっていって担当する仕事ではありません。
マネジメントとは、現場とはまったく別の仕事だということです。
参考文献:
『マネジメント 課題、責任、実践(中)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
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