組織は信頼によって成立する
ドラッカーの『明日を支配するもの』第6章「自らをマネジメントする」より引用いたします。
組織は、もはや権力によっては成立しない。信頼によって成立する。信頼とは好き嫌いではない。信じ合うことである。そのためには、互いに理解していなければならない。互いの関係について互いに責任をもたなければならない。それは義務である。
組織の一員であろうと、組織へのコンサルタントであろうと、取引先であろうと、流通業者であろうと、共に働く者には、互いの関係についての責任がある。
P.F.ドラッカー 『明日を支配するもの』 p224より引用
「組織は、もはや権力によっては成立しない」
この言葉に異を唱える者はもういないのではないか、と思います。
権力によって組織の運営ができるのであれば、社長は報奨と制裁だけを考えていればいいことになります。
それならそれである意味、簡単ですが、現実にはそれではうまくいくはずがありません。うまくいかないどころか、社内の制裁によって犯罪のようなことさえ発生しています。
「組織は信頼によって成立する」
「信頼とは信じ合うことである」
当たり前すぎる言葉ですが、これはとても大切なことです。
そのためにしなくてはならないことは、これまた当たり前のことですが、次の言葉です。
「互いに理解していなければならない」
「互いの関係について互いに責任をもたなければならない」
ドラッカーによれば、これらのことは「義務」なのです。
『7つの習慣』でいえば、第5の習慣の「理解してから理解される」です。自分のことを理解してほしいという前に、相手のことを理解することです。
多くの人がそのことを忘れて、自分のことばかりを主張しています。
こんがらがった糸を解きほぐすには、自分が謙虚になって、先に相手のことを理解することからのスタートです。
参考文献:
『明日を支配するもの』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー (キングベアー出版)
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