所をうる

Hitoshi Yonezu

2014年09月02日 10:00

 ドラッカーの『明日を支配するもの』第6章「自らをマネジメントする」より引用いたします。

 強み、仕事の仕方、価値観という三つの問題に答えが出さえすれば、うるべき所も明らかになるはずである。


      P.F.ドラッカー 『明日を支配するもの』 p212より引用


 このところ連続して、ドラッカーの考える強み、仕事の仕方、価値観の関係をご紹介してきました。

 かつての日本においては、個人の特徴は考慮せずに、仕事を選ぶのは珍しいことではなかったと思います。

 人口が増加し、経済も成長していたので、とりあえず目の前にある仕事に取り組めばよかったのです。

 伸びている業種、人気のある職種に就けばある程度の成功が約束されていました。親の言うとおりに就職や転職をした人もいたでしょう。

 その意味では、自分の本当の力を発揮できなかった方がいたはずです。

 いまでは仕事はより複雑に深化していますから、誰でもいいということはなくなってきています。

 個人の強みや価値観を重視するほうが当たり前になってきました。

 最高のキャリアは、あらかじめ計画して手にできるものではない。自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をした者だけが手にできる。なぜならば、自らのうるべき所を知ることによって、普通の人、単に有能なだけの働き者が、卓越した仕事をこなすようになるからである。

      P.F.ドラッカー 『明日を支配するもの』 p213より引用


 普通の人は求められた水準で仕事を進めます。

 有能な人はより貢献してくれます。

 しかし、それではまだもったいないです。

 卓越した力を発揮してほしいのです。

 そのためには、自らのうるべきところを知ることが必要なのです。

  


 参考文献:
 『明日を支配するもの』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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