成果をあげることのできる普通の人
ドラッカーの『経営者の条件』の終章「成果をあげる能力を修得せよ」より引用します。
確かに人生には、成果をあげるエグゼクティブになることよりも高い目標がある。しかし目標があまり高くないからこそ実現も期待しうるというものである。すなわち現代社会とその組織が必要とする膨大な数の成果をあげるエグゼクティブを得るという目標の実現である。
もし、知識を必要とする地位には、聖人や詩人、あるいは一流の学者しかつけられないとしたならば、大規模組織などは存在の不可能なお笑い草になってしまう。
組織のニーズは、非凡な成果をあげることのできる普通の人によって満たされなければならない。これこそ成果をあげるエグゼクティブが応じるべきニーズである。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p222より引用
「組織のニーズは、非凡な成果をあげることのできる普通の人によって満たされなければならない」
私には、ビビッ!とくる言葉です。
原文では次のように表現されています。
The needs of large-scale organization have to be satisfied by common people achieving uncommon performance.
”The Effective Executive” p170
「組織」と訳されている部分は"large-scale organization”でした。
この文章は前の文章からのつながりで、大規模組織のことについて述べていたのです。
これは、小さな組織では普通の人だけで成果をあげるのは難しい、ということの裏返しにも読めます。
小さな組織は人が少ないのだから、有能な人がいなくてはならない、という意味です。
私は、小さな組織だからといって、普通の人によって成果をあげられないのはおかしい、と思います。
この本が発行された1966年といまでは経済、社会の体制が大きく変わりました。企業規模の概念も変わっていることでしょう。
規模の大小よりも、いかに組織が成果をあげるか、が重要です。
小さな組織で人がいないからここそ、普通の人によって成果をあげたいのです。
組織という道具を使って、、普通の人が非凡な成果をあげるのです。
それがマネジメントではないでしょうか。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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