事実の検証
7月30日のブログで「意思決定は意見からスタートする」ことをご紹介しました。
『経営者の条件』の第7章「成果をあげる意思決定とは」より引用します。
したがってまず初めに、意見をもつことを奨励しなければならない。そして意見を表明した後、事実による検証を求めなければならない。「仮説の有効性を検証するには何を知らなければならないか、意見が有効であるには事実はどうあるべきか」を問う必要がある。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p194より引用
まずは意見からスタートするということを認識します。次にその意見について、事実による検証をするということです。
おそらくここにおいて決定的に重要な問いが「有意性の基準は何か」である。この問いへの答えから、検討中の意思決定に必要な評価測定の基準が得られる。成果をあげる正しい決定がいかに行われたかを分析すれば、きわめて多くの思考と労力が評価測定の基準を得ることに投じられていることを知る。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p194より引用
少しわかりずらくなってきました。
成果をあげる意思決定をするために力を注ぐのは、意思決定のための評価測定の基準をつくることです。
このあと、アメリカ軍の調達と在庫に関わる伝統的な評価基準を変え成果を上げたロバート・マクナマラの事例が紹介されています。
それは現場のレベルにおいて、すべての品目を洗い直す事でした。
評価測定のための基準を見出す最善の方法は、すでに述べたように、自ら出かけ、現実からフィードバックを得ることである。つまるところこれは、決定前のフィードバックである。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p195より引用
第6章で紹介されていた「成果をあげる意思決定の5つのステップ」の五つ目は「決定の適切さを検証するためにフィードバックを行った」でした。決定そのものの中にフィードバックを組み込んでおくということでした。
ここでのフィードバックは「決定前のフィードバック」なのです。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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