プロフィットセンター
ドラッカーの『経営者の条件』第1章「成果をあげる能力は修得できる」より引用します。
組織の中に生じるものは努力とコストだけである。プロフィットセンターなるものは言葉のあやにすぎない。内部にはコストセンターがあるだけである。組織は、一定の業績を得るために投入した努力が少ないほどよい仕事をしたことになる。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 p32より引用
原文では次のような文章になっています。
What happens inside any organization is effort and cost.To speak of "profit centers" in a business as we are wont to do is polite euphemism. There are only effort centers. The less an organization has to do to produce results, the better it does its job.
”The Effective Executive” p14
プロフィットセンターなる言葉も、もともとはドラッカーが唱えたものだと言われています。
プロフィットセンターは、収益と費用が集計される部門で、ここにおいては利益を極大化することが仕事となります。
しかし、この言葉は、プロフィット(利益)を生み出すことが組織の目的であるというような誤解を生んでしまいました。
そこで、ドラッカーは改めて、組織の中にはプロフィットセンターはなく、あるのは努力とコストだけだ、と明言しています。
少ない資源で大きな成果をあげることがよい仕事であるのは当然ですが、プロフィットを最大化することを目的にすると、組織はおかしくなってくると思います。
原文ではeffortと costという言葉で表現されています。まさにその通りなのですが、分かりやすい英語でおもしろいですね。
まさに企業には、努力とコストしか存在しないのです。
努力とコストの結果がプロフィットになるわけで、これは結果としての数字にすぎないと私は考えます。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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