知識は本の中にはない
ドラッカーの『創造する経営者』第7章より引用します。
知識は本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。そして知識は、人間すなわちその頭脳と技能のうちのみに存在する。事業が成功にするには、知識が、顧客の満足と価値において、意味のあるものでなければならない。知識のための知識は、事業にとってあるいは事業以外のものにとっても、無用である。知識は、事業の外部、すなわち顧客、市場、最終用途に貢献して初めて有効となる。
『創造する経営者』 p144より引用
知識は本の中にはない。本の中にあるものは情報である・・・・・・
本で得た情報を仕事や成果に生かしたとき、初めて知識になるのです。
私は時間があれば常に読書をしていますが、どれだけ成果に結びついているでしょうか。これだ!と思える本当に役に立つ本に出会うのは年に二、三回です。
「米津さんもやがて本は読まなくなると思うよ。本に書いてあることがばかばかしくなるんだよ・・・・・・」と教えてくれる先生がいます。
その先生の書架にはおびただしい本が並べられていますが、いまは、よくよく選んだ本しか読まないようです。
また別の先生は、ドラッカー以外の本を読むのをやめた時期があったそうです。ドラッカーの著書だけに集中したのです。
書店の店頭で、買わせよう、読ませよう、と必死になってマーケティングをしている本の姿を見ると、食傷気味になります。
文学などは別にして、成果に結びつかない情報は無意味だと感じるときがやがて来るのだろう、そんな気がしています。
読書という一見高邁そうな行為にすべてが隠されてしまうような雰囲気がありますが、実は情報を眺めているだけかもしれないのです。
参考文献:『創造する経営者』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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