人事の責任
P.F.ドラッカーの『経営者の条件』の序章より引用いたします。
人事がうまくいかなかったときには、動かされた者を無能と決めつけてはならない。人事を行った者が間違ったにすぎない。マネジメントに優れた組織では、人事の失敗は移動させられた者の責任ではないことが理解されている。
重要な仕事をこなせない者をそのままにしておいてはならない。動かしてやることが組織と本人に対する責任である。仕事ができないことは本人のせいではない。だが動かしてやらなければならない。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 序章 p8-9より引用
最近、社員に謝らなくてはならないことがいくつかありました。
それぞれを担当する者の働きに間違いがあったことに起因する出来事でした。
ご紹介した文章でドラッカーは「人事がうまくいかなかったとき」と述べていますから、成果が上がらなかった場合のことについて言及しているのだと思います。
私は最近の自分の出来事から、社員が間違いを起こした場合の責任も人事を行った者にあるだろう・・・・・・という気持ちで読んでいました。
企業の社員が仕事や社会的な問題を起こした場合、社員の管理や教育について、企業が批判を受けて、トップが謝罪するような場面がたびたびあります。
企業における教育の範囲を超えているような人格的な問題、基本的な問題を起こした場合でも、企業は追及されるのです。
それほどまでに企業は社員に責任をもっているのです。
普段から社員に対して仕事も生き方も語り、同じ道を歩いていく仲間でいられるかどうか、常に確かめていかないと人事はできないことになります。
社会も社員も企業に対して大きな期待をかけている反面、厳しい視線を投げかけています。企業は日頃から社員を甘やかすことなく、厳しくかつ温かい対応をしていかねばならない、と感じました。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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